|
ATFクーラーの設置場所をフロントからリアバンパー右側内に移動させました。
一年以上前から計画していたのですが、これまでなかなか着手できずにいました。
作業はKMクラフトガレージさんにお願いしましたが、実はこの方法、そもそもK社長の発案なんです。
右側のリアフォグライトは当然撤去となりますが、左側1個でも機能的には十分です。
C5のミッションはリアにありますから、クーラーコアがリア側にあれば至近距離で配管ができます。また、ATFのラジエター循環用送出圧はそれほど高くありませんから、配管距離が短くなればなるほどミッションから短時間でクーラーコアに到達して戻ります。
サーキット走行の場合、連続高負荷により短時間で温度が上昇してしまいますから、短時間で冷やされたATFが戻れば、温度超過になるまでの時間を延ばすことができます。
クーラーコアは装着可能限界のセトラブ25段エクストラワイドにしました。
放熱量は22,000kcal/hで、ATFクーラー用としてはこれまでの最大サイズとなります。
闇雲にクーラーコアのサイズを大きくするだけでは冷却能力向上は望めず、吸排気効率を向上させる方が効果が高いと言う話を耳にしますが、これまでの経験上、同一条件下であれば、やはり大きいサイズの方が良く冷えてくれることは確かです。
ラジエター循環用配管をミッション出口で切断し、アルミチュービングアダプター(6AN)を装着したらステンメッシュホースでサーモスタットを介してクーラーコアへ接続します。
オーバークールを防止するためにもサーモスタット装着は必然です。
不要になったラジエターへ行くパイプにもアダプターを装着してキャップを着け、万一の際につなぎかえられるようにしました。
リアバンパーの開口部にはアルミ製ルーバープレートを取り付けました。
走行中に発生する流入気で排出が押し戻されてしまうのを避けるためと、開口により低下したバンパーの補強も兼ねています。
そして、バンパー下部の開口部分からも熱の排出が行われます。
冷却用吸気はリアボディサイドに装着したNASA2連ダクトから行われ、2本のホースによりクーラーコアへと導入されます。
表面のカバーはKMクラフトガレージさん特製で、吸気口には異物混入防止用のメッシュネットが着いています。
自然吸気が不足している場合の強制吸気用にはデフオイルクーラーに使ったものと同じインラインブロワーファンを2基装着しました。
このファンはホースの途中に割り込ませて使用するもので、自然吸気の抵抗になり難い構造になっています。
またマリン用なので防水性が高く、ホース内に雨水が浸入してきても問題はありません。
そして、排出用にはこれまで使用していたSPAL製5.2インチ電動ファンを2基装着しました。
ON/OFFの制御は、これまでと同じくサーモスタットに着けた温度センサーによりビリオンVFCUで行っています。動作開始温度設定は90℃にしました。
電動ファンをONにすると強い通気が出てきますから、ATF温度が高い時に前に立っているのは少々辛いかもしれません(笑)。
クーラーコアにはシュラウドを装着しています。
シュラウドは、吸気の拡散を防止してコア全体に効率的に導入させると共に、発熱が周囲に拡散しないようにする隔壁も兼ねています。
また、排出熱の拡散を防ぐためにリアバンパーとの隙間にも隔壁が着いています。
フロントから発熱源が無くなると同時に10kg強の重量がリアへ移動したことで、前後荷重配分が少しだけ好転したのもメリットになるかもしれません(笑)。
→装着図(PDFファイル)
一般道走行での検証では、ラジエター循環による冷却だけの時とは勿論大違いで、外気温32℃下の走行で86℃を維持しています。
また、渋滞で走行風が得られない状態で90℃になっても電動ファンがONになると短時間で88℃まで下がってくれました。
しかし、何となくこの状態ではまだ役不足であるような気がしています・・・。
冷間時のヒートアップは、サーモスタットのお陰でラジエター循環を行っていた時とほぼ同程度の時間で80℃に達しています。
水温も90℃以上になりませんから、やはり高温になったATFの循環が水温上昇の要因になっていたようです。
冷却能力の検証は27日のえびすサーキット走行会を予定しています。
尚、ATF温度についてですが、コルベットに限らず一般道走行時でも夏季は100℃を越えることが間々あるようです。それ故にラジエターを循環させることが冷却になるのでしょう。
レーシングスペックのATFを使っていれば120℃くらいまでなら許容範囲で、むしろ70℃以下でサーキット走行等の高負荷を与えてしまうことの方が問題になるとのことでした。
ラジエターの循環は冷間時のヒートアップにも効果がありますから、通常の稼働においては理にかなった大変優れた方式であると言えます。 |