<RAYBRIG製マルチリフレクターヘッドライト装着日誌> 
Installation of Raybrig Multi-Reflector Headlight
 

[効果:純正ヘッドライトでは実現不能な正確な配光制御により、HIDを装着してもムラの無い綺麗な照射を実現する。]

RAYBRIG製のマルチリフレクタータイプの角型2灯式用ヘッドライトが発売されました(製品詳細⇒写真をクリック)。
RAYBRIGのH4バルブが装着されているので、このまま使用しても十分明るいヘッドライトです。
本体は、USヘッドライトと同様プラスチックの一体成型品で非常に軽量なものです。

HIDの装着にあたって、レンズカット方式の純正ヘッドライトでは対応できなかったことから、本製品を取り付けてみました。
C4であれば、そのままボルトオンですが、C5では、大きさや取付方法が違うためにそのまま装着することはできません。
そこで、当初は日本仕様の純正ヘッドライトを解体し、取付部分を流用してみましたが、取付位置の正確性を欠くこと、並びに長期間の取付強度を考慮し、取付用フレームを製作しました。

尚、HID装着によりハイビームが無くなるので、このままでは車検対応になりません。
現在では、BELLOF社製HL4-DdriveのHIDシステムが装着されているので、ハイビームに対する問題及び車検への対応策は解消しています

The multi-reflector light has very accurate distribution of light and powerful. And it's very suitable to use HID.
However it's a problem to loose high beam.→Now installed Bellof's HL4-Ddrive has hi-beam function.



<ヘッドライトフレームの製作> Product frame
 
素材は2mmのアルミ板を使用しました。中央部の穴は、ライト本体の反射鏡部分が前からすっぽり入り、周囲のエッジ部分がフレームに引っ掛かって乗る大きさに空けます。
図は左側(運転席側)。右側は対象形となります。

It's necessary to product Frame using aluminum to install. 

車両への取付部分は八角形状のメスネジ(M6)を切ってある長いナット(ボルト同士のジョイントに使用する既製品、真鍮製)を使用し、内側用として15mm長ボルトを使用して30mm長を上下2箇所(純正では上一箇所止めで下はボッチのはめ込み)、外側用が60mm長ボルトを使用して30mm長一個と20mm長2個を連結したものを、やはり上下2箇所取り付けます。ボルトの位置は多少の誤差を修正できるように、空ける穴をやや縦長にしておくと良いでしょう。
プレートの四隅に穴を空けてL型金具を四隅に取り付け、ヘッドライトの形状に合わせて曲げ、ヘッドライトを固定します。

For inside, screw 30mm length M6 nuts with 15mm bolts, for outside, screw 30+20+20mm length nuts with 60mm bolts.
Install  the light housing on frame and fix using material on each corner. Be careful to give damage to plastic housing.


<ヘッドライトの取外し>
純正ヘッドライトの取外しについてはこちらを参照。


<装着> Installation

フレーム側にボルト(15mm)を入れ、ライトハウジングを取り付けます。

Use 15mm bolts for inside and 40mm bolts for outside.


左右の隙間は、フレーム本体に固定したアルミ板に必要な大きさにカットした樹脂プレートを固定(貼り付け又はネジ止め)してマスキングを行います。

Cut Black Plastic plate to mask both side.
マスキング樹脂プレートは、実際に装着した段階で角度を微調整します。
また下部の隙間も、必要な大きさにカットした樹脂プレートをヘッドライトフロントマスクに固定(貼り付け又はネジ止め)してマスキングを行います。

Install Plastic plate on head light front mask to mask bottom space.
HIDを装着する場合にはシェード付H4タイプ又はシェードを製作して取り付けたHB4タイプが必要であること、並びにハイビームが無くなるので、別途対策が必要になることは言うまでもありません。
ハイビーム対策についてはPIAAスポットライト装着日誌を参照。⇒現在ではBELLOF社HL4-Ddriveバルブの使用で対応可能になっています

It's necessary to use "shade" on HID bulb to use only as low beam.
For hi-beam, install other lights. →Now installed Bellof's HL4-Ddrive system.


USヘッドライト用に使用していたHB4用のほうが発光部分の位置が、H4用よりも適切であった(シェード開口部の中央に発光部分が位置した)ことから、余っていた古いハロゲンH4バルブを解体して口金部分だけを取り出し、製作したシェードを口金にリベットで固定しました。

→本加工はH4対応(ハイビーム内蔵)のHIDバルブの場合は不要です。

固定に際しては、開口部の左右が口金の一番太い突起を真上にして正確に左右均等になるように回転方向を定め、さらに口金の中央に位置するよう定めます。
固定したら、そのままライト本体に装着し、さらにその後ろから(つまり中へ)HB4用バルブを装着し、ライト本体の固定ピンをバルブの突起にかませて固定します。バルブ自体の回転方向については、どの位置で固定しても関係無いので、HB4の固定爪がH4バルブ固定ピンに当る位置となります。

To install HID bulb for HB3 on mount for H4, soldering ring flame for H4 to the shade. 

勿論、シェード付きのH4バルブ用をそのまま使用しても差しさわりは全くありません。
また、万一バルブが切断したりイグナイター等が故障して点灯しなくなってしまった場合の非常手段として、ハロゲンH4バルブと接続用純正コネクターを用意しました。


電気配線については、HID装着日誌を参照。

See this page for electric circuit.

バルブへの結線を行ってから、ヘッドライトを装着します。
マニュアル動作で開閉テストを行い、ボディと干渉する部分がある場合にはフレームを折り曲げたり削ったりして補正を行います。
基本的に干渉する可能性がある部分としては、左右共に内側の下角(これは閉じた時にシャーシと干渉して閉じきれなくなる)と、外側の上角(これはヘッドライトカバーと干渉してカバーが浮き上がる)となります。
前者の場合は、ヘッドライト取付位置が後ろ過ぎる場合もあるので、ワッシャーを使って前後位置を調整します。但し前に出過ぎると、今度はヘッドライト前面カバーと干渉してしまいます。後者の場合は、90度直角の部分を斜めにカット又は折り曲げることで解消できます。
干渉等の問題が解消したら、電動開閉動作並びに点灯テストをします。

Connect all electric lines and install bulb. Check high voltage lines get no damage.
Check head light door open and close smoothly using manual knob. Then check light ON and OFF, door open and close without damage.


<光軸調整> Check Angle
 

ヘッドライトの光軸調整は、左図の「1」(左右)と「2」(上下)で行います。 調整には、トルクスFE(メス)型8mmドライバーが必要です。 錆付いて動き難い場合は、ギア部分に潤滑油をスプレーします。

To check angle of beam, screw (1) for Vertical and (2) for Horizontal.
It is necessary to use Torx FE 8mm Female screw driver.
And before screw, splay oil into gear part.


今回は、製品に添付されていたマニュアルに従って光軸調整を行いました。
調整は左右それぞれ別々に行うので、調整しないほうは布等で遮光します。
調整方法は、水平な場所に停車し、ヘッドライト位置から3m離れた垂直の壁に照射した状態で、まず配光パターンの左肩上がりの開始ポイントが、ヘッドライト中心に来るように左右方向を調整し、左肩上がり前の水平部分がヘッドライト中心の地上からの高さより4cm低いところへ来るように、上下方向の調整を行います。

Parking Vehicle 3m away from the vertical wall on flat road.
Shut one side head light beam.
The center of beam become Head light center.
The height of the light pattern center become "h-4cm"("h" is the height from the ground to bulb center). For example, as "h" is 64cm, Upper beam line  become 60cm.
Check another side by the same way.

光軸調整が終わったら、ヘッドライトカバーを取り付け、前面カバーを付けて完了です。
もしヘッドライト前面カバーの外側下部分が干渉する場合には、カバーを削ります。



<使用レポート>
 
純正ヘッドライト・USヘッドライトに比べて遥かに実用的な配光が得られた上、これまでの最高照度を得られました。 また上部配光カットが非常に的確であるため、光軸調整もスンナリと済みました。
壁面へ照射する様子を見れば、いかに配光が均一で尚且つ正確であるかがわかります。当然ながら、配光エリア外の対抗車への幻惑は全くありません。
You can see powerful brightness and accurate distribution.
ボディラインに沿って傾斜するライトに比べると、デザイン面で劣る部分があるかもしれませんが、それを遥かに上回る実用面を重視しても問題は無いと思っています。
尚、もともとC5のヘッドライトハウジング下は、雨水が隙間から浸入することを前提にしている分、HID用のイグナイターやインバーター並びに配線類については、十分な防水処置が必然になります。

レンズによる光量の低下や拡散が、いかに障害であったかがはっきりと認識でき、マルチリフレクターの性能の高さを改めて思い知りました。
そして何よりも圧巻なのは、HIDの発光がそのまま100%照射されることによる、極めて色温度の高い白色光です。
マルチリフレクターにより、HIDの光源がダイレクトに反射されて照射されると、点灯後数秒以内には真っ白になります。
ただハロゲンや白熱灯のように、色温度が低い黄色っぽい明かりから比べると青っぽい感じに見えることは確かで、例えばビデオカメラのように色温度に応じてその時のホワイトバランスを設定する機器を通すと、色温度の高い光ほど青っぽく映ってしまいます。
見掛けを青っぽくするためや、色温度を上げるためのフィルターをバルブ上にコーティングしているものがありますが、それらは色温度が高くなるだけで、肝心の照度(つまり明るさ)については、フィルターが無いものよりも低下している場合があるので、注意が必要です。

予備になると思って保有していたH4用HIDの一つが内部断線してしまったようで、点灯したりしなかったりするようになってしまいました。
今回は、HB4用を使用したので問題ありませんでしたが、HIDバルブの弱点を垣間見たような気がしました。
つまり、ヘッドライトの開閉動作によりケーブルに負荷がかかり、場合によっては断線してしまう可能性を示唆しているので、予備のHIDバルブ又はH4ハロゲンバルブと接続コネクターを用意しておくほうが無難ですね。さすがにHIDの予備バルブを持ち歩く余裕は無いのが普通ですから。


 
ハイビーム用のPIAA製スポットライトは勿論のこと、純正のフォグライトも役不足に感じられてしまったので、今手元に余っているRAYBRIGのHIDアシストライトを純正フォグライトのスペースに装着することを予定していたのですが、残念ながら背部のスペース不足で断念せざるを得ませんでした。
そこでバルブだけをHID化する方法に変更することにしました。⇒純正フォグライトHID化日誌