ハブ&ベアリングアッセンブリー交換
Installation of Hub&Bearing Assemblies
通常、50,000km走行以上は耐久性があると言われているハブ&ベアリングアッセンブリーですが、サーキット走行や強化ブレーキの装着等で一定以上の負荷が連続してかかると、走行距離に関わらず駄目になります。 発生する症状としては、コーナリング時に負荷がかかった際にタイヤがフェンダーに干渉しているかのような音と振動が出ます。音の発生後もしばらくは稼動可能ですが、突然完全に駄目になって走行不能に陥る可能性があるので、早めに交換したほうが良いでしょう。 特に強化タイプの社外品は存在していないようなので、今回はAC/Delco製純正パーツを取り寄せて交換を行いました。 製品はホィールスピードセンサー付で、フロント用(AC Delco #20-569/GM #7470569)とリア用(AC Delco #20-71/GM #7470571)それぞれ専用品となります。 |
<警告>
本品装着にあたっては、車両稼動の根幹に関わる部分であり、安全基準に適合する必要性があるので、必要な知識、技術、工具類が揃っていない場合には行わないこと。
本品装着と装着作業により発生するいかなる障害についても当方は一切責任を負いません。
本品の装着は99年モデルに行ったもので、他年式モデルへ装着する場合には異なる部分があります。
<Warning>
Do not install without skill and tool.
I'm never responsible any trouble by installation and work.
The goods installed to Model '99 only.
本作業を行うにあたっては、ボールジョイントセパレーター、トルクレンチ、レンチアングルゲージが必要です。 Ball Joint Separator, Torque Wrench and Wrench Angle Gauge tools required. |
また、リアハブはドライブシャフトと結合しているので、抜き出し作業時には大型のギアプーラーが必要です。 |
<フロント> Front
1.ハブの取外しRemove Hub&Bearing Assembly
ALCONブレーキキャリパーを外してローターを外します。 純正の場合はこちらを参照→ブレーキ脱着について Remove Brake Assembly. |
コイルオーバーショックのスプリングを緩めます。 純正品の場合は、リーフスプリングを外します。 Remove Coil Over Shock(or Leaf Spring and Shock). |
ステアリングアーム(5)を外します。ナット(3)(18mm)を外してからボールジョイントセパレーターを使用します。 <注意:(2)のナットは緩めないこと。これを動かすとアライメントが狂ってしまいます。> Remove Steering Arm. Do not remove (2) nut. |
アッパーとロワーのボールジョイントを外します。ナット(アッパー18mm、ロワー22mm)を外した後はボールジョイントセパレーターを使用します。衝撃でボールジョイント部分が破損する恐れがあるので、金槌等で叩き出さないこと。 Remove Upper and Lower Ball Joint by Separator tool. |
ハブを取り外します。 Remove Hub and Bearing Assemblies. |
ハブセンサーのコネクターを抜き、固定ボルト(3本・トルクスT-55)を外してハブを外します。 Disconnect sensor line and Remove Hub and Bearing Assembly. |
2.ハブの装着 Install Hub&Bearing Assembly
センサー固定用金具にコネクターを固定し、新しいハブを装着します。固定ボルト(トルクスT-55)の締付トルクは130Nm。 Install Hub and Bearing Assembly with sensor. Tighten 130Nm. |
ボールジョイントを装着します。装着前にボールジョイントのAアームとの接触部分に油成分が付着しないように清掃しておきます。 ナットの締付手順は以下の通りです。 アッパー側:ナット(18mm)を20Nmで締める→250度締める(レンチアングルゲージを使用)→70Nmのトルクで締まっていることを確認する ロワー側:ナット(21mm)を20Nmで締める→210度締める→55Nmのトルクで締まっていることを確認する ナットを最初に締める時にボールジョイントが空転してしまう場合には、ボルトセンターにHEXレンチを入れて空転を止めます。 Install Ball Joint. Upper : Tighten 20Nm and 250 degrees. Lower : Tighten 20Nm and 210 degrees. Check tighten 55Nm minimum. |
ステアリングアームを取りつけます。 ナット(18mm)締付手順:20Nmで締める→160度締める→45Nmのトルクで締まっていることを確認する ナットを最初に締める時にボールジョイントが空転してしまう場合には、ボルトセンターにHEXレンチを入れて空転を止めます。 Install Steering Arm. Tighten 20Nm and Tighten 160 degrees. Check tighten 45Nm minimum. |
コイルオーバーショックのスプリングを締めます。 純正品の場合は、リーフスプリングを装着します。 Install Coil Over Shock(or Leaf Spring and Shock). |
ブレーキローターを装着してキャリパーを装着します。 純正の場合はこちらを参照→ブレーキ装着 ホィールスピードセンサーを接続します。 Install Brake rotor and caliper. |
<リア> Rear
3.ハブの取外しRemove Hub&Bearing Assembly
ブレーキローターとキャリパーの間にポンチを差し込み、空転を止めてからドライブシャフト固定用ナット(33mm)を外します。 |
ブレーキキャリパー、ローターを外し、コイルオーバーのスプリングを緩めます(純正の場合はリーフスプリングを外します)。 |
パーキングブレーキケーブル保持金具を固定しているボルト(15mm)を外します。 |
パーキングブレーキケーブルを外します。ホィールスピードセンサーのコネクターを抜きます。 |
タイロッドエンドを外します。ナット(18mm)を外したらボールジョイントセパレーターを使います。 |
Aアームのアッパーボールジョイントを外します。 ナット(18mm)を外したらボールジョイントセパレーターを使います。 |
ハブアッセンブリー部分をドライブシャフトから少しだけ引き出し(と言うよりはドライブシャフトを押し込む感じです)、ロワー側ボールジョイント固定用ナットへのアクセススペースを確保します。 ドライブシャフトを押し込む際にはギアプーラー等を使用します。 |
アクセススペースが出来たら、Aアームのロワー側ボールジョイントを外します。 ナット(21mm)を外したらボールジョイントセパレーターを使います。 |
ハブアッセンブリーをドライブシャフトから抜き出して外します。 |
固定ボルト(3本・トルクスT-55)を外し、パーキングブレーキと共にハブを外します。 Remove Hub and Bearing Assembly. |
4.ハブの装着 Install Hub&Bearing Assembly
センサー固定用金具にコネクターを固定し、パーキングブレーキと共に新しいハブを装着します。固定ボルト(トルクスT-55)の締付トルクは130Nm。 Install Parking Brake and Hub and Bearing Assembly with sensor. Tighten 130Nm. |
ハブアッセンブリーをドライブシャフトに装着します。シャフトの溝とハブの溝が正しく噛み合うように慎重に挿入を行います。ロワー側ボールジョイント固定用ナットのアクセススペースが必要なので、ナットによる最終位置の固定はまだ行ないません。 |
Aアームのボールジョイントを装着します。 ロワー側:ナット(21mm)を20Nmで締める→210度締める(ソケットレンチが入らない場合は、ナットの側面を3 + 1/2面分回す)→70Nmのトルクで締まっていることを確認する アクセススペースが足りない場合にはハブをドライブシャフトから少し抜き出します。 ナットを最初に締める時にボールジョイントが空転してしまう場合には、ボルトセンターにHEXレンチを入れて空転を止めます。 |
アッパー側:ナット(18mm)を20Nmで締める→250度締める(レンチアングルゲージを使用)→55Nmのトルクで締まっていることを確認する ナットを最初に締める時にボールジョイントが空転してしまう場合には、ボルトセンターにHEXレンチを入れて空転を止めます。 |
タイロッドエンドを装着します。 ナット(18mm)締付手順:20Nmで締める→160度締める→45Nm以上のトルクで締まっていることを確認する ナットを最初に締める時にボールジョイントが空転してしまう場合には、ボルトセンターにHEXレンチを入れて空転を止めます。 |
パーキングブレーキケーブル保持金具を固定し、パーキングブレーキケーブルを装着します。 |
ブレーキキャリパー、ローターを装着したら、ローターとキャリパーの間に空転止めのポンチを入れ、ドライブシャフト固定用ナットを増し締めします。締め付けトルクは160Nm。 |
コイルオーバーのスプリングを設定値まで締め(純正はリーフスプリングを装着)、ホィールスピードセンサーを接続して完了です。 |
5.アライメント調整 Alignment Check
ホィールアライメントを取り直すことを薦めますが、大幅なズレは起こらないはずです。
Recommend to check Wheel Alignment by Tester.