<ホィールアライメントについて>

→これまでに実施したアライメント調整値はこちらです

<アライメント調整種類>

コルベットC5のアライメント調整は以下の4種類があります。

1.キャスター(フロントのみ)

これはサスペンションサポート軸がAアームの挙動軸に対して前側に傾斜しているか、後側に傾斜しているかを決めるもので、角度により表示されます。
前方傾斜がネガティブ(マイナス表示)、後方傾斜をポジティブ(プラス表示)と称します。

2.キャンバー

これはホィール(タイヤ)が水平に対して外側に傾斜しているか、内側に傾斜しているかを決めるもので、角度により表示されます。
車両正面から見て、ホィール上部が外側に傾斜しているときをポジティブ、内側に傾斜しているときをネガティブと称します。
本数値は車高との関わりが深いので、計測する際には注意が必要です。

3.トー

これはホィール(タイヤ)が直進方向に対して内側に傾斜しているか、外側に傾斜しているかを決めるもので、角度により表示されます。
車両上方向からホィールを見て、前側が内側に傾斜しているときをポジティブ、外側に傾斜しているときをネガティブと称します。

4.スラストアングル(リアのみ)

これはステアリングをきったときにリアホィールが発生する角度を決めるものです。
この調整を行うためのものは特に無いので、キャンバーとトー調整を行った結果、前後左右それぞれの誤差により発生する許容範囲と考えた方が良いでしょう。
基本は「0」で、許容値は、+0.10 〜 -0.10°

<調整方法と規定値>

アライメント調整は、一ヶ所の一種類だけを単独で行えるものが少なく、キャスター、キャンバー及びトーについては、一種類の調整が規定値になっても他が規定値にならない場合が多いようです。
また、調整を行う際は、車両のサスペンション状態が深く関係して来るので、ガソリン量やリアハッチ内の荷物等、車高に関係するものは全て標準状態にした上で、4輪が共に水平を保てる場所で行います。
ここで表示している数値は、全て車高が規定値であることが前提になっています。

1.フロント側キャスター及びキャンバー調整

フロントのキャスターとキャンバーは、共にロワーAアーム固定部分前後にあるアライメント調整ボルトにより行います。
前後それぞれのボルトに付いているアライメント調整目盛プレートがボルトと一緒に回ることでAアーム全体が内外方向に動きます。
キャスターの規定値(3)は、+6.9°で、許容値は、+7.4 〜 +6.4°
ポジティブなので、ショックアブソーバーのアッパーサポート部分は外側から見てホィール中心軸よりも後方に位置することになります。
左右の誤差は、0.5°以内。
キャンバーの規定値(1)は、−0.2°で、許容値は、+0.3 〜 -0.7°
ネガティブなので、ホィール上部は内側に傾斜し、正面から見て左図とは逆の「ハ」の字形状になります。左右の誤差は、0.5°以内。
本数値は車高に深い関係があるので調整の際には注意が必要です。
キャンバーがロワーAアームの位置調整だけで規定値にならない場合には、アッパーAアーム固定ボルトのワッシャ枚数を増減させ、再度ロワー側の調整を行います。

2.フロント側トー調整

フロントのトー調整は、タイロッドの長さを変えることで行います。
タイロッド固定ボルト(2)を緩め、タイロッド上に形成してあるボルト構造部分(1)を回し、タイロッドの長さを伸縮させます。
タイロッド固定ボルト(2)の締め付けトルクは68Nm
トーの規定値(5)は、+0.04°で、許容値は +0.14 〜 -0.06°
ポジティブなので、ホィールの前側が内側に入る(後側が外側に出る)ことになります。
トーはステアリングアングルにも大きな影響を与えるので、調整後は、ステアリングセンターに対する誤差を調べます。
基本値は「0」、左右誤差の許容値は、+1.0 〜 -1.0°以下

トー値は、キャスター、キャンバー調整を行うと変わるので必ず調整を行うこと。

3.リア側キャンバー調整

リアのキャンバー調整は、ロワーAアーム前側のアライメント調整ボルトにより行います。
アライメント調整目盛プレートがボルトと一緒に回ることでAアーム全体が内外方向に動きます。
キャンバーの規定値(1)は、-0.18°で、許容値は、+0.32 〜 -0.68°
左右の誤差は、0.5°以内。
ネガティブなので、ホィール上部が内側に入ります。
本数値は車高と深い関わりがあるので調整する際には注意が必要です。

4.リア側トー調整

リアのトーは、フロントと同様、タイロッドの固定ナットを緩め、タイロッドを回します。
固定ナットの締め付けトルクは、60Nm
規定値(5)は、-0.01°、許容値は、+0.09 〜 -0.11°
数値はネガティブなので、フロントとは逆に、前側が外側に出る(後側が内側に入る)ことになります。

5.リア側スラストアングル確認

リアのキャンバーとトー調整が終わったら、スラストアングルが規定値内にあることを確認します。
規定値外の場合には、左右の調整値に誤差があることを意味します。
誤差の基本は「0」で、許容値は、+0.10 〜 -0.10°以内

<これまで実施したアライメント調整値>
アライメント調整値は以下の通りです。
フロント
キャンバー(純正規定値-0.2°) -1.1° -1.1°
キャスター(純正規定値+6.9°) +6.0° +6.0°
トゥ(純正規定値+0.04°) -0.0mm -0.0mm
リア
キャンバー(純正規定値-0.18°) -1.0° -1.0°
トゥ(純正規定値-0.01°) +0.7mm +0.7mm
スラスト角(純正規定値0.0) -0.00°
調整作業は、「車工房リキ」さんにお願いしました。

2003年8月1日
RM Racing JAPANのラージキャンバープレートを装着したので、アライメント調整値を変更しました。
フロント
キャンバー -1.4° -1.4°
キャスター +6.5° +6.5°
トゥ 0.02° 0.02°
リア
キャンバー -1.6° -1.6°
トゥ 0.08° 0.08°
スラスト角 0.00°
<注意:フロント(9.5J )、リア(10.5J)共にホィール(TE-37)は18インチ、装着タイヤはBS RE-01 255/35/18、275/35/18>

2004年1月10日
タイヤ交換によりアライメント調整値を変更しました。
フロント
キャンバー -1.6° -1.6°
キャスター +6.6° +6.6°
トゥ 0.02° 0.02°
リア
キャンバー -1.6° -1.6°
トゥ 0.07° 0.07°
スラスト角 0.00°
<注意:フロント(9.5J )、リア(10.5J)共にホィール(TE-37)は18インチ、装着タイヤはピレリコルサ265/35/18、315/30/18>

2004年5月1日
GMパフォーマンスパーツ製タイロッドエンド及びRM Racing JAPAN製の強度区分12.9ボルト仕様ラージキャンバーキットの装着に伴い、アライメント調整を行いました。
フロント
キャンバー -2.0° -2.0°
キャスター +6.8° +6.8°
トゥ 0.02° 0.02°
リア
キャンバー -1.6° -1.6°
トゥ 0.06° 0.06°
スラスト角 0.00°
今回はアンダーステア解消を目的にフロントのキャンバーを-2.0にしました。

2004年7月25日
アライメント調整を行いました。
フロント
キャンバー -2.5° -2.5°
キャスター +6.7° +6.7°
トゥ 0.03° 0.03°
リア
キャンバー -1.6° -1.6°
トゥ 0.07° 0.07°
スラスト角 0.00°
今回はフロントのキャンバーを-2.5にしました。

2004年8月21日
強化ミッション装着作業で、リアサスペンション及びメンバーの脱着を行ったことに伴い、アライメント調整を行いました。設定数値は、前回と全く同じです。
フロント
キャンバー -2.5° -2.5°
キャスター +6.7° +6.7°
トゥ 0.03° 0.03°
リア
キャンバー -1.6° -1.6°
トゥ 0.07° 0.07°
スラスト角 0.00°

2005年5月8日
強化型デフ装着及びコイルオーバーの交換作業で、サスペンション及びメンバーの脱着を行ったことに伴い、アライメント調整を行いました。設定数値は以下の通りです。
フロント
キャンバー -2.7° -2.7°
キャスター +7.3° +7.3°
トゥ 0.03° 0.03°
リア
キャンバー -1.6° -1.6°
トゥ 0.07° 0.07°
スラスト角 0.00°
今回は、フロントのキャンバーを-2.7にしました。
<注意:キャンバープレートはフロント、リア共にラージキャンバーキットを使用。タイヤはフロント A048 M 265/35/18、リア A048 MH 315/30/18>

2005年11月13日
タイヤ交換と共にアライメント調整を行いました。設定数値は以下の通りです。
フロント
キャンバー -2.8° -2.8°
キャスター +6.7° +6.7°
トゥ 0.01° 0.01°
リア
キャンバー -1.8° -1.8°
トゥ 0.07° 0.07°
スラスト角 0.00°
<注意:キャンバープレートはフロント、リア共にラージキャンバーキットを使用。タイヤはフロント RE55S SR2 265/35/18、リア A048 MH 315/30/18>