純正リーフスプリング再装着日誌
Installation of Factory's Leaf Spring(Japanese Only)


装着したコイルオーバーサスペンションは構造変更となり車検対応で無いため、車検時には一旦取り外して純正品を装着しなければなりません。
基本的にはコイルスプリング部分だけを外してリーフスプリングを装着すれば、ショック自体の交換についての車検上の問題は無いのですが、作業的にショックからコイルスプリングをわざわざ外す作業を行うよりも全部を交換してしまったほうが楽であると思われます。

<警告>

本品装着にあたっては、車両稼動の根幹に関わる部分であり、安全基準に適合する必要性があるので、必要な知識、技術、工具類が揃っていない場合には行わないこと。

本品の装着は99年モデルに行ったもので、他年式モデルへ装着する場合には異なる部分があります。


<注意>
ジャッキアップ後は必ずウマを使用すること。
専用工具であるリーフスプリングコンプレッサーは使用せずに装着を行います。
フロント側純正リーフスプリングを装着するには、ロワーAアームを外す必要があります。


1.リア純正スプリング&ショック装着

リアは片側ずつのジャッキアップでも作業は可能。ジャッキアップしたらウマをかませます。→ジャッキアップについて

コイルオーバーショックのスプリングを負荷がなくなるまで専用レンチで緩めます。
コイルオーバーサスペンション上部固定用ハットのボルト(13mm)を外します。
ロワー側固定ボルトナット(24mm)を外し、コイルオーバーショックを取り外します。
コイルオーバーサスペンションから上部固定用ハットを外し、純正ショックに取り付けます。インナーシャフトの空転を止めるには専用レンチが必要です。固定用ナットは15mm。ブッシュやワッシャー類の入れ忘れが無いように注意します。
尚、コイルオーバーからスプリング部分だけを外して、ただのショックアブソーバーにしてしまえば、それをそのまま再装着しても車検は通ります。
リーフスプリング固定用フランジとボルトを外します。
固定用フランジとボルトでリーフスプリングを取り付けます。ボルトのねじ込み最初は手で行うこと。締め付けトルクは62Nm
尚、マニュアルではスプリング固定用フランジボルトの再使用は認めていないので、リーフスプリングをこのまま継続使用する場合には、新しいボルトを使用します。
スプリング下部に、ダメージを与えないようにゴム等を挟んでジャッキを当て、スプリングを固定用ボルトナットが挿入できる位置まで持ち上げます。
ロワーAアームにブッシュを着け、スプリングを固定しているボルトナット(ボルト18mm、ナット21mm)を装着します。
.ナットは、外す際に計測した高さ又はネジ山数だけ締めます。
スプリングを支えていたジャッキを外します。
リーフスプリングをこのまま継続使用する場合には、ボルト上部に脱落防止用のリングを取り付けます。取り付けに際しては専用工具を使用します。
F45用シミュレーターを外し、純正ショックのコネクターと接続します。ショックからコネクターまでの間は指定ルートを通し、指定個所に固定します。
純正ショックを装着し、ロワー側固定用ボルトナット(24mm)を締めます。ナットの締め付けトルクは220Nm
上部固定用ハットを取り付けます。ボルトの締め付けトルクは29.5Nm

2.フロント純正スプリング&ショック装着

両輪共に、ジャッキアップしてタイヤを外し、ウマをかませます。

スウェイバー(スタビライザー)のリンケージシャフトを左右共に外します。→スウェイバー装着日誌を参照
コイルオーバーショックのスプリングを負荷がなくなるまで専用レンチで緩めます。
ピロの固定ボルトナットを外します。
ロワーAアーム側の固定ボルトナット(13mm)を外し、コイルオーバーショックを取り外します。
アッパーAアームのボルトナットには、ホィールアライメント調整のために、それぞれの両側に目盛が着いたプレートがあります。それがシャーシに対してどの位置にあるかを印を着けて後で判るようにしておきます。また前後があるので再装着の際に入れ替わらないように判別できる印も着けておきます。
再装着の際、この位置関係が狂うとホィールアライメントが大きく狂ってしまうので、後で消えて見えなくなってしまわないようにしっかりマーキングしておきます。
ブレーキローターの下に台を置いて、Aアームが外れた際に落下しないようにします。ロワーAアームのシャーシ側固定ボルトナット(24mm)を外します。
本作業は片側のみで大丈夫です。
外れたら、ロワーAアームをスプリングとの干渉が無くなる後方90度横方向位置に回転させます。
リーフスプリングを外した際に計測した高さ又はネジ山数にスペーサーギャップを調整します。
車両側に取り付けてあるリーフスプリング固定用フランジボルト(13mm)を外してフランジを外します。
リーフスプリングをAアームを外していない側に差し込み、こちら側の固定用フランジを取り付けます。ボルトのねじ込みの最初は必ず手で行います。
また反対側のスプリング端が地上に接触して負荷がかかるようであれば、かからなくなるまで車両をジャッキアップします。締め付けトルクは62Nm
続いてAアームを外した側のリーフスプリング下部にジャッキを入れ、スプリングにダメージを与えないようにゴム等を挟んでジャッキアップし、スプリングを圧縮します。
固定用フランジを装着できる程度までスプリングがあがったら一旦止め、こちら側の固定用フランジを取り付けます。締め付けトルクは62Nm
尚、マニュアルではスプリング固定用フランジボルトの再使用は認めていないので、リーフスプリングをこのまま継続使用する場合には、新しいボルトを使用します。
ロワーAアームを元の位置に戻し、取り付けます。この段階でスプリングが衝突するようなら、さらにスプリングをジャッキアップして圧縮します。
前後それぞれ正しいボルトを入れ、ナットを着けたら、外す際に着けておいた目印位置になるようにボルトのヘッドをレンチで固定しながら、ナットを締めて行きます。ナットの締め付けトルクは前後共に170Nm。この位置が正しく無いとホィールアライメントが狂ってしまいます。
装着が終わったら、ブレーキローター下の台を外し、スプリング下のジャッキをダウンして外します。
ロワーAアームの脱着によりズレが生じる可能性があるホィールアライメントは、ハンドルがセンター位置にあるときのタイヤの切れ角度。
マーキングした場所と同じ位置に装着してもズレが生じる可能性があるので、とりあえず目視でも良いので確認しておきます。万一目視でもズレが判別できてしまった場合には、反対側の外していないほうの位置関係を参考に、ロワーAアームの後側ボルトの位置で調整します。
要はハンドルを中央直進位置にした時に、フロントタイヤが真っ直ぐ前を向いているようにすれば良いと言うことです。但しこのズレの許容範囲は0.06〜0.14°以内なので、目視程度で行えるものではなく、安全の為にもホィールアライメントを取り直すことを薦めます。
ズレが生じたことで影響が出るは直進安定性。ハンドルが中央位置でも直進しなくなったり、高速走行時にハンドルが取られたりブレたりしたら要点検です。当然のことながらタイヤも偏磨耗してしまいます。
F45シミュレーターを外し、ショックのコネクターを接続します。ショックからコネクターまでの間は、指定ルートを通し、指定個所に固定します。
純正ショックアブソーバーを装着します。ブッシュ類の入れ忘れが無いように注意。
アッパー側インナーシャフトを専用レンチで固定しながらナット(15mm)を締めます。
尚、コイルオーバーからスプリング部分だけを外して、ただのショックアブソーバーにしてしまえば、それをそのまま再装着しても車検は通ります。
ロワー側をボルトナットで固定します。ナットの締め付けトルクは28Nm
スウェイバー(スタビライザー)のリンケージシャフトを左右共に取り付けます。締め付けトルクは72Nm。→スウェイバー装着日誌を参照

3.車高の調整

車高の調整は、リーフスプリングの調整ボルトで行います。外した際に記録した数値を再現すれば大丈夫なはずですが、一応基準値を記します。

車高の基準は、フロントがホィールセンターから889mmのところで152mm、リアは787mmのところで157mm。
車両は前後左右水平な場所に停め、ガソリン満タン、リアラゲージ内の荷物無し、シートは最後部へ移動した状態で行います。(ベース写真提供:北海道在住F氏)

以上で完了です。フロント側はロワーAアームの脱着を行っているので、ホィールアライメントを取り直すことを薦めます。