<Hotchkis製スウェイ・バー(スタビライザー)取付> 2001年4月28日
   Installation of Hotchkis's Sway Bar

→2004年8月6日 T1スウェイバー装着
→2008年3月23日 Pfadt Race Engineering製調整式スウェイバー装着
→2010年6月14日 Pfadt Race Engineering製ピロサポート装着

[効果:高速度でのコーナリング時にロールを抑制して姿勢の乱れを防止する、サーキット走行には必需品。]

ロールを抑えて走りをスパルタンにするグッズとして最も定評のあるスウェイバーを交換しました。使用したのはHotchkis社製で、Z51仕様よりも鋼製が高く、ノーマルC5の足をZ51以上に変貌させます。
直径は、フロントが32mm、リアが25.4mmです。→T1スウェイバー装着

Install Hotchkis Sway Bar.

見た目でも明らかに太く鋼製が高いバーと、それに対応するリンクシャフトが頼もしいですね。一緒に並べて比較してみると、純正が貧弱に見えてしまいます。車重の増加は前後合わせて4kg程度。

Bar and End Link Shaft are very thick and hard more than Factory's.


【注意】
本品は99年モデルに装着したものですので、97〜98年及び2000年以降モデルと詳細で違う場合があります。

<必要工具類>
ジャッキ、リジットラック、ソケットレンチ(100mm程度のエクステンション)、トルクレンチ(58〜140Nm)、トルクスT-40ソケットレンチ用ヘッド、15、18(ディープソケット)、19mmソケットレンチヘッド、15、16、18、19mmメガネレンチ、19mmスパナ、4mm六角レンチ。
運転上、重要な部分を掌るパーツなので、工具類が揃っていない場合や知識の無い人は行わないで下さい。

@ジャッキアップポイントについて  Lift Up Point
 

ポイント(青色枠線内部分)にあるヘコミ部分とジャッキの接触部分にはゴム等によって保護を行うか、専用のジャッキポッドを利用します。一般のジャッキを直接当てると傷が着いてしまいます。

専用のジャッキポッドはジャッキポイントに付けて90度回すと固定されます。


ジャッキアップしたら必ずリジットラックで支えておくこと。支えるポイントは緑枠線内部分。また支える個所にはプレートを使用して点荷重とせずに必ず面荷重にすること。
たとえ短時間でもジャッキを信じきって下にもぐり込むのは危険。
ジャッキが突然壊れたり、車体から外れてしまったりする可能性はいくらでもあります。
また片側だけのジャッキアップは倒れる危険がある上、スタビライザーの脱着に支障があるので禁止。

Lif up both side at the same time because of Sway Bar Removing.

Aフロント側の取外し Remove Front Sway Bar
 

両輪が完全に浮くまで両側をジャッキアップし、スタビライザーにかかっている負荷を無くします。ジャッキアップ後には必ずウマ(リジットラック)を入れておくこと。
作業の簡易性を増すためにはタイヤを左右両輪共に外します。

Lift up(not only one side) and remove both side wheels.
ロワーアーム側エンドリンクシャフト固定用ナットを、中央にトルクス(T-40)ヘッドのソケットレンチを入れて空転を止め、18mmのレンチで緩めて外し、リンクシャフトをロワーアームから外します。
緩み難い場合にはCRC等をナット周辺に吹き付け、少し時間を置いてから行ないます。

Use Torx T-40 to center of end link shaft Bolt and remove nut(18mm). Remove Link Shaft from A Arm.

次にインシュレータークランプ固定用ナットをソケットレンチ(15mm)で外し、フロントクロスメンバーを外すとスタビライザーバーが外れます。エンドリンクシャフト及びブッシュは新品を使用するのでバーから外す必要はありませんが、インシュレータークランプ(ブッシュの固定金具)とボルトは再使用します。
外れたとき顔面に落ちて来ないように注意。

Remove Insulator Cramp and remove Sway Bar.

Bフロント側の装着 Install Front Sway Bar
 

新しいリンクシャフトは長さ調整のできるので、両側は同じ長さにしておきます。
フロントのボルトの中心から中心までは約87mmにしました(純正は約80mm)。
リンクシャフトを写真のような状態にしてからワッシャでバーを挟むように両側に入れ、16mmでリンクシャフト側のナットを押さえ、19mmのレンチで付属のナットを締め、バーの両端に取り付けます。ナットは緩まない仕組みのロックナットなので、締める際にはかなりの力が必要です。
ネジ山部分にはANTI-SEIZE PASTEを塗ると良いですね。

Set length and direction of End Link Shaft according to the photo.

当然のことですが、スウェイバーには向きがあるので、外した純正品を参考に正しい向きに装着すること。中央部に貼り付けてあるロゴシールの向きは信用しないほうが良いです。ちなみに私の場合、フロント側は上下が逆でした。

新しいブッシュ(フロント用)の内側に付属のシリコングリスを塗ってから純正品を参考に正しい向きでバーに取り付けます。

Install Insulators on Bar. Don't miss direction of Insulators and Bar. See Factory's.

既存のインシュレータークランプとボルト(15mm)でバーを取り付けます。ボルトのネジ山にはANTI-SEIZE PASTEを塗ると良いです。

Install Insulator Cramp. Don't use tools at first, use hand.

ボルトのねじ込みの最初は必ず手で行うこと。始めからレンチ等で行うと相手側がアルミ製なので、万一ずれて入ってしまった場合、即座にネジ山を損傷してしまう可能性があります。新しいインシュレーターなのでクランプが入り切らずにボルトを締めるのが困難である場合でもレンチで強制的に締め込んで行くのは危険です。ボルトがネジ山にかむまでインシュレータークランプを手で押し込んで下さい。
尚、この段階では未だ手で締めれる範囲で留めておきます。

サスペンションアーム側にもワッシャを両側に入れ、ローワーアーム側に固定します。

Install End Link Shaft to A Arm using nuts with rings.
リンクシャフト側ボルト(16mm)を固定しながらナット(19mm)を72Nmで締めます。
ロックナットなので締め込んで行く作業にはけっこうな力が必要でした。
ボルトのネジ山にはANTI-SEIZE PASTEを塗ると良いです。
固定されたら、リンクシャフト長さ調整用のナットも増し締めして固定します。シャフトは19mmのレンチがかみます。

Tighten End Link Shaft Bolts(16mm and 19mm)to 72Nm.

最後にインシュレータークランプ固定ボルト(15mm)を増し締めします。締め付けトルクは58Nm

Tighten Insulator Cramp Bolts(15mm) to 58Nm.


Cリア側の取外し Remove Rear Sway Bar
 

基本はフロントと全く同じで、リンクシャフト固定用ナットをトルクス(T-40)とレンチ(18mm)で外し、インシュレータークランプ固定用ボルト(15mm)&ナット(18mm)を外してバーを外します。
但し、ボルトは緩めて外すだけですが、ナットのほうはサスペンションアーム固定用ボルトと兼用なので、裏側のボルトヘッドにレンチ(15mm)をかませた上でナットだけを緩めて外します。ボルトは絶対抜かないように。
ブッシュ固定金具と固定用ボルト&ナットは再使用するのでグリスアップしておくと良いでしょう。

Remove End Link Shaft and Insulator Cramp the same as Front.
Never remove bolt. Only remove nuts.

Dリア側の装着 Install Rear Sway Bar
 

基本はフロント側と同じ。純正品を参考に正しい方向にブッシュを付けます。
尚、写真のアルミ製リングストッパーはこの段階ではまだ装着しません。
リア用の新しいブッシュの両外側にはスペーサーリングブッシュが着くので、忘れずに装着しておきます。入り難い時には内側にグリスを少し塗るとスムースに行きます。

Install Spacer rubber ring(Don't install aluminum ring stopper) .
Install Sway Bar the same as Front. 

リンクシャフトのボルトの中心から中心までの長さは約85mmにしました(純正は約78mm)。
純正品を参考に新しいバーとリンクシャフトを正しい向きに装着します。
インシュレータークランプ固定ナット(18mm)は相手側ボルト(サスペンションアーム固定用)に15mmのレンチをかませて締めます。締付けトルクは95Nm。本ナットはサスペンションアーム固定用を兼ねているので必ず規定トルクで締めて下さい。ボルト(15mm)を65Nmで締めます。
リンクシャフト側ボルト(16mm)を固定しながらナット(19mm)を72Nmで締めます。 各ネジ山部分にはANTI-SEIZE PASTEを塗ると良いです。
固定されたら、リンクシャフト長さ調整用のナットも増し締めして固定します。シャフトには19mmのレンチがかみます。

Install End Link Shaft the same direction of Factory's.
Tighten Insulator Cramp nut to 95Nm and bolt to 65Nm.
Tighten End Link Shaft to 72Nm.

インシュレータークランプの外側のスペーサーリングブッシュのさらに外側に、左右それぞれアルミ製のストッパーリングを取り付け、5/32インチ(4mm)のHEXレンチでボルトを締めます。それぞれペアになっているので組み合わせを間違えないように。ブッシュとの間は1/8インチ(3mm)程度のクリアランスがあって問題はありません。またボルトはあまり力を入れて締め過ぎるとネジ山を壊してしまうので注意。締め付けトルクの指定値は無いが、概ね2〜4Nm程度で良いと思います。緩みが心配ならばネジロック剤を塗っておくと良いですね。

Install aluminum ring stopper.

E最終点検

タイヤを取り付けます。ホィールナットの締め付けトルクは140Nm
トルク不足はタイヤ離脱の危険性が、過大トルクはホィールへダメージを与えてしまうので厳守して下さい。
マグネシュームホィールと2000年モデル以降のホィールのホィールナットキャップはレンチを使わず手で一杯に締めます。レンチで強く締めてしまうと空回りしてキャップのネジ山を駄目にしてしまい、最悪の場合走行中に外れて紛失する恐れがあるので注意が必要です。
ジャッキダウンしてサスペンションに負荷をかけた段階でエンドリンクシャフトの両端がほぼ中央部分に位置していることを確認します。どちらか一方に偏っている場合にはリンクシャフトの長さ調整が不適切であるので再調整を行ないます。
また、サスペンション等に接触している部分がないかどうかを確認します。もし接触している部分がある場合には装着方向またはエンドリンクシャフトの向きが間違っている可能性があります。
各部分の最終増し締め忘れが無いことを点検してから試験走行を行い、異音等の発生が無いことを確認します。
尚、装着後、100km程度走行した後に再度各部分の締め付けトルクを再点検して下さい。
特にリアのAアーム固定用ボルトを兼用しているインシュレータークランプのナット(95Nm)は要点検です

Check all bolts and nuts tighten and nothing touches other things.


<使用レポート>
 

作業そのものはジャッキアップ、調整を含めて約3時間程度で前後共に交換できました。
たかがスタビライザーだけと思っていたのですが、これが効果絶大でした。ハンドリングはさらにオンザレールとなり、これまでハンドルの切り始めの挙動とレスポンスが若干甘い感じを受けていたのが、交換後は切っただけ正確に向きをかえるようになりました。そしてそれがかなり高速域になっても持続されます。勿論、アンチロール性の大幅な改善は言うまでもありません。ロールを抑えることだけでこれほど効果があがるとは思いもしませんでした。コーナリングの安定性と絶対速度が増したことでタイヤがかなり鳴くようになりました。
作業の簡易性とコストの両面から見ても、これは大変なお買い得品であると言えます。
ただ乗り心地という面ではかなり硬くなり、F45ではパフォーマンスポジション以外の硬さはバランス的にそぐわなくなりました。
また、スプリングを含めたサスペンション系とブッシュ類の強度が不足気味なのか、あるいは動作ストロークが長すぎるのか、路面の凹凸によってサスペンションが稼動する際、スウェイバーのエンドリンクシャフトに負荷がかかって瞬間的にゴツゴツという衝突音が発生するようになります。
路面の凹凸に対してあまりに頻繁に大きな衝突音がする場合は、リンクシャフトが長すぎるか、固定部分のナットの締め付けトルクが不足している可能性もあるので点検調整して下さい。
またリンクシャフトが過ぎるとサスペンションが縮み方向へ僅かに稼動しても直ぐにスウェイバーが働いてしまうため、サスペンションの稼動ストロークに制限が加わってしまうことになります。特にリアはフロントよりも2mm程度短く設定したほうが良いようです。

It's fantastic!!  I didn't expect very much because only change Sway Bar, however it makes very high performance now. 




2004年8月16日

<T1スウェイバー装着>

T1スウェイバーを装着しました。
Hotchkisに比べ、フロントが5mmアップの37mm、リアが1.6mmアップの27mmになっています。
しかし、素材の鋼製が違うのでしょうか、Hotchkisに比べて、それほど硬くなったと言う印象はありません。むしろ効き始めるまでの柔軟さがとても良い感じです。

Install T1 Sway Bar.

2008年3月23日

<Pfadt Race Engineering製調整式スウェイバー装着>
調整式スウェイバーフロント
調整式スウェイバーリア
Pfadt Race Engineering製調整式スウェイバーを装着しました。
装着に際して特に面倒なことや注意点はなく直ぐに作業は終わりましたが、何よりも正しい状態に組み立てることが大変で時間を要します。
最も大変な作業は、スチール製のバーにアルミ製のアームを装着することです。
バーの上位点に対して110°±5°の位置にしなければなりません。
また、差し込みする際も正しい位置と傾斜になっていないとスムースに入ってくれません。
少々きついからと言って力任せに入れてしまうと、状態が間違ってしまうばかりか、アルミ製アームの切り込み部分がつぶれて駄目になってしまいます。
まず、バーの上位点にマーキングをしてからアングルメーターを使って110°点にマーキングをします。
そして、アームのスリット部分をそこに合わせたら、傾斜角度を手で調整しながらスムースに入っていくポジションを割り出すのですが、これがなかなか面倒な作業になります。
アームは左右それぞれ専用で、さらに方向も決まっています。
左右や方向が間違っていても装着できてしまいますので要注意です。
現在(2009年11月時点)販売されているものは正しい装着位置が製品にマーキングされているので、位置出しにアングルメーターは不要です。)

エンドリンクも自分で組み立てるのですが、こちらも付属している図面を見ながら正しい状態となるようにします。特にスペーサー類の選定は要注意です。
ボルト類はHEXを含めて全てインチ規格です。

マニュアルに各部の締付トルクの記載が無いため、アルミ材へねじ込むものについては20Nm、エンドリンクの固定ナットは50Nmにしました。
ナット類は全てロックナットなので、トルク不足があっても外れて取れてしまうことはなさそうです。
現在販売されている製品のマニュアルには締付トルクが表示されています。)

設定は取り合えずメーカー推奨のポジション(フロント:3段階の2番目/リア:4段階の2番目)にしました。
これはT1とほぼ同一になる硬さです。
早速走行してみたところ、体感できる大きな差異がなかったので、製品そのものはなかなか良好なもののようです。
前後共に設定変更ができますが、どのポジションが今のサスペンションに最も相応しいかの検証が今後の大きな課題です。
最終的な設定と性能がT1とほぼ同じ状態でベストになったとしてもT1より軽量ですから、それだけでも効果があると思っています。

2010年6月14日
PFADTスウェイバー専用のピロブロックを装着しました。
詳細はこちらです。