<RM Racing スロットブレーキローター及びカーボンメタリックパッドの装着>
 Installation of RM Racing's Slotted Rotors and Pads
【注意】
本掲載記事で装着されたローターとパッドは、2001年8月に本国メーカーにおいて製造中止となりました。予めご了承ください。
該当製品については、こちらをご覧下さい
 
<MENU>
1.ブレーキパッドの交換/Change Pads
2.ローターの交換/Change Rotors
3.ステンメッシュホースの装着/Install SS Brake Lines
4.クロスドリル加工/Cross Drilled
5.使用レポート/Report


 

フロント/FRONT

リア/REAR

【注意】
本品は99年モデルに装着したものですので、97〜98年及び2000年以降モデルと詳細で違う場合があります。

またブレーキ関連部分は安全保安基準対象部分なので、知識が無い人、工具類がそろっていない場合には絶対に行わないで下さい。

Never do this work without special skill and knowledge as professional about brake system.


●必要工具類 : 15mm、19mm、21mmソケットレンチ、16mmスパナ、21mmメガネレンチ、トルクレンチ(31、140、175Nm)、ハンマー、ブレーキクリーナー、グリス、ジャッキ(最低高115mm以下又はスロープスタンド)、リジットラック

<ブレーキパッドの交換>

@ タイヤを取る Lift up point
 


ジャキポイントは指定の部分のみ(ボディ両サイド4個所です楕円形にへこんでいる左図青色枠線内部分になります。それ以外の表示部分は短時間であればOKです。いずれの場所もジャッキ等の金属部分を直接当てないこと。指定個所以外を使用するとボディがたわんでしまったり、メカニズムに障害を与えてしまいます。又、ジャッキの接触部分が金属である場合には、ゴム片等を間に入れて傷付防止策を講じます。
ジャッキは最低高が115mm以下でないと入らないので、その場合はスロープスタンドを併用するか、タイヤの下に台になるものを入れてそこにタイヤを乗り上げジャッキ用の隙間を確保します
1cm程度のクリアランス不足の場合ならばボディを手で持ち上げるとジャッキを入れられます。
ジャッキアップ後は必ずリジットラック等をかませておくこと。
支えるポイントは緑枠線内部分になります。

Lift up vehicle only using 4 points. Never come in under vehicle only lifter.

ジャッキをかけただけの状態で作業をすると、ジャッキが外れたり、壊れたりした場合に取り返しのつかない事態を招く危険があります(油圧のジャッキでも突然オイル漏れを起こして壊れることがあります)。
ジリットラックが無い場合には万一の事態のために何か支柱になるものをかませておくこと(例えば古い電話帳など)。

98年までのマグネシウムホィール及び2000年以降の場合には、ボルトキャップ(プラスチック製)をまず外し、それから中のボルトを緩めます(両者共に19mm)。
99年のアルミホィールは、まずセンターキャップ(プラスチック製)のボルト頭カバー位置の隙間の対角線2点にヒモ類を差し入れてひっかけ手前に引くか、ホィールと接触する部分をビニールテープ等でまいた細いマイナスドライバー等を隙間に入れてこじると取れます。

Remove center cap from wheel using small pick. In case of Magnesium wheel and 2000 model and later, remove cover nuts.
Remove all nuts on wheels.

Aキャリパーを外す(パッドの脱着) Remove Caliper and Install Pads

タイヤが外れたら、ローターのガタ付きを防止する為、ホィールナットをローターの対角線上2個所だけ軽く締めておきます。
Remove wheels and after then tighten rotor by wheel nuts(2 to 3)
 

ボルトのキャリパー内側に16mmスパナを入れ(○型ですが2個所にヘコミがあってそこにスパナが噛みます)、ボルトの頭を15mmソケットレンチで緩めボルトを取ります。
側のボルトだけを外すこと(下側はまだ緩める必要はありません)。
Remove only upper bolt(1 in picture) only(15mm and 16mm).
パッドの交換だけなら、この段階で下側のボルトを支点にしてキャリパーを回転させるとローターから離れるので、パッドの交換が可能になります。
下図「4」の金具の間に装着された古いパッドを、それぞれ外側と内側にスライドさせて外し、ピストンを手でゆっくり押し戻してから、新しいパッドを装着し、キャリパーを元の位置に戻して完了です。
ピストンが硬くで戻らない場合は、専用工具を使用します。
Turn down top like picture and remove old pads. Install new pads. Recommend to paint grease on edge and back side of pads.
Push pistons back slowly by hand to get enough space for new pads. Check brake fluid.
パッドが正しい位置と向きで保持金具に収まっていることを確認します。 パッドがスムースにローターの間に入って行かない場合は、ピストンの押し戻し量が足りないことを意味しています。摩耗警報用金具が着いているほうがピストン側になります。どちらも着いていない場合、基本的に表裏の区別はありません。パッドの裏面や周囲の塗装が剥げていたり錆が見える場合には、耐熱塗料で塗っておくと見栄えがよくなります。

After installation, clean all parts by Brake cleaner.
Tighten caliper bolts to 31Nm and install wheels(tighten wheel nuts to 140Nm).

両パッドの裏側、保持金具(左図4)とパッドの接触面にグリスを薄く塗ります(必ず流動性の無いブレーキ用耐熱性のものを使用すること)。CRC等の流動性品は不可)。ローターとの接触面にグリスが着かないように厳重注意。着いてしまったらブレーキクリーナーでしっかり洗浄すること。

ピストンを押し戻す時は、一度に強い力を加えるとブレーキオイルリザーバータンクから逆流するブレーキオイルが漏れ出したり、エアが混入してしまう危険があるので、必ずゆっくり行うこと。またキャリパーやピストンに工具等を直接当てないで、必ず布等で保護すること。
フロントの2ピストンは、一方が押し込まれると他方が出て来てしまうので、二つを同時に押し込んで行きます。

パッドの交換だけなら、ここで終了です。キャリパーのボルトを締め(31Nm)、ブレーキクリーナーでローターの表面(表裏両方)とパッドの接触面を清掃します。ローター固定用に使ったホィールナットを外し、ホィールを着け、ホィールナットを締めて(140Nm)完了です。ホィールナットは一個所を一度に規定トルクまで締め上げずに対角線上に星型を描くように順番に行います。過大トルクによる締め付けはホィールにダメージを与えます。

鳴き防止のシムが着いていない場合は、呉工業(CRCの発売元)から発売されている「ブレーキクワイアット」というブレーキの鳴き止め剤があるので、それを塗布すると振動による鳴きをしっかり防止してくれます。

As you dislike squeaks of pads, you should paint "Brake Quiet" on outside of pads.

オレンジ色の派手なものですが、奇麗に塗れば結構ワンポイントなおしゃれになるかもしれません。

It's orange colored.

C取付後の作業に進む/After installation

Bローターの交換 Install Rotors

スロット入りローターの効果について/About Slotted Rotor
 

左図のように通常ローターとパッドの間には使用するにしたがって異物の付着や摩擦抵抗係数の違いによって隙間が出来てしまいます。ローターの表面に細かい筋が出ているのがそれです。当然隙間はローターとパッドの接触面積を低下させるので、その分摩擦抵抗が減ってブレーキ性能が低下してしまうことは避けられません。
ローターを一定使用後に研磨するのはその為です。

The reason why Slotted Rotor has good performance is no gap between pads and rotor because of slot clean up surface of pads.

スロットが入ることによってパッドの表面が常にスムースに整形されるため隙間が最小限になり、結果として接触面積が確保されるようになります。
スロットの入っているローターは、使用を重ねても表面が常に鏡面のように奇麗で、筋が入り難いことを見ても効果のほどが分かります。
筋がたくさん入ったローターは、制動能力的に最大15%程低下すると言われているので、スロット入りにすることで低下した分が補われますから、見かけ上15%の向上が見られることに等しくなります。
特にカーボンメタリックのように摩擦係数が高いパッドは表面が固いので、スロット入りローターの使用は機能を100%発揮させるために絶対条件となるでしょう。

You can see many lines on factory rotor surface however using slotted, no gap makes no lines and like a mirror surface.
No gap makes more wide contact area between rotor and pads.



ローターの交換をする場合は、パッド交換時に外す必要が無かった下側のボルトも緩め、キャリパーを押さえながら外し、キャリパーをローターから取り外します。外したキャリパーは、下に落ちてブレーキホースに負荷がかからないように、ヒモ等で括り付けます。
Remove down side bolt on caliper and remove caliper(Hold!!). Never fall down caliper and fix it by wire.
絶対にキャリパーを下に落とさない事。 落とすとブレーキホースに負荷がかかって、場合によってはホースや接続部が損傷して駄目になってしまいます。特にステンメッシュホースならば致命傷になります(中のテフロンホースが折れてしまう)。
 
パッド交換時には外さなかった下側のボルトを外し、キャリパーを外します。ブレーキホースにダメージを与えないように注意。外れたキャリパーは下に落とさないように上からヒモ等で吊るしておきます。
Remove under bolt and remove caliper.
次にキャリパーのベースを固定しているボルト(21mm)を外してキャリパー固定フレームを外します。
Remove bolts to fix caliper base(these bolts tighten to 175Nm therefore it is necessary to use hard instruments with big torque).
このボルトは175Nmのトルクで締め付けられている上、緩みによる脱落防止の為中にボルトロック剤が塗ってあります。緩める際には、まずCRC等を塗り、さらにハンマーたたかなければ緩みません。ボルトヘッドをなめて駄目にしないようにする為にもメガネレンチの使用は絶対条件です。 又、ハンマーでたたく際は、メガネレンチが外れて飛んでいかないようにしっかりと押さえておくこと。安物のレンチを使うとボルト山をなめてしまったり、衝撃でレンチ自体が折れてしまったりする場合があります。
フレームが外れたら、ローター固定用に使ったホィールナットを外し、ディスクローターを手前に取出して外し(重い!! 足の上に落とさないように注意)、新しいディスクローターを取り付けます。 ローター脱着の際にはホィールボルト山を傷付け無いように注意。 又、新しいローターを付けたら再度ホィールナットで固定しておきます。 ローター裏側の軸受けハブに錆やゴミがある場合は、ついでに清掃とグリスアップをすると良いでしょう。またホィールボルトにANTI-SEIZE PASTEを塗りました。
尚、リアのローターを外す際には、パーキングブレーキを解除すること。
Remove caliper base and rotor(don't fall down on your foot!!) and change to new one.
ローターが着いたら、再びホィールナットでローターを固定し、キャリパー固定フレームを取り付けます。 取付けボルトANTI-SEIZE PASTEを塗布してから175Nmのトルクで締めます。
万一このボルトにダメージを与えてしまったら、新しいものに交換します(純正部品を使用。同じ径の普通のボルトは使用できません。又、ボルトにはボルトロック剤を塗布します)。
Install caliper base and tighten bolts to 175Nm. Install caliper with pads. tighten bolts to 31Nm.

写真のキャリパーフレームが赤いのは、塗装したためです。
The reason why caliper is red because painted.

パッドを組み込み、キャリパーを取り付けます。
キャリパーボルトは31Nm,で締めますパッドの厚みでローターにキャリパーが入って行かない場合には、もう少しピストンを押し戻します。無理に押し込まないこと。又、指定トルク以上で締めつけるとキャリパーの反復動作ができなくなるので注意して下さい。
取付けが終ったら、ローター固定用に使っていたホィールナットを外します。
最後にブレーキクリーナーでローターとパッド、キャリパーに付着した油等を完全に除去します。又、ブレーキホース表面や取付根元に損傷やブレーキフルード漏れ等が無いことを確認します。
Clean up all equipment by Brake Cleaner.

ホィールを取り付けます。ホィールナットの締付トルクは140Nm。 均等に締め付ける為に、対角線上を星を描くように順番に行い、一個所を一度に規定トルクまで締め付けないようにします。
マグネシウムホィールのプラスチックナットカバーは、手で強く締め付ける程度でOKです。レンチで力をかけてしまうとネジ山を駄目にしてしまい、最悪の場合脱落して紛失します。
アルミホィールのセンターキャップは位置を合せて上からカチッとロックするまで押し込むだけです。
Install wheels and tires, wheel nuts tighten to 140Nm.

リアもキャリパーの大きさとピストン数が違うだけで、全く同じ手順になります。
Work for Rear exactly the same way.

本作業を順番に4輪共に行います。 前輪又は後輪だけ、又は片側だけを行った段階での走行は絶対にしてはいけません。




C取付後の作業(重要!!) After Installation

取付けが完了したらエンジンをかけ、ブレーキペダルを一杯まで強く数回踏み込、押し戻されたブレーキフルードとピストンを元の位置に戻し、パッドとディスクの隙間を無くします。 そしてその段階でブレーキフルード量を点検し、少ない場合には補充します(作業中に漏れていなければ必要は無いはずです)。本作業は1輪終了する都度行う方がブレーキフルードの逆流による漏れを防止出来ます。
Start engine and foot brake pedal to the end a few times. At first, don't do hard braking. Aging required.

着けたばかりのパッドとローターはエージング(慣らし)が必要なので、そのままいきなりハードブレーキングは絶対に避けなければなりません。

まず軽めのブレーキングを時間をかけて数回程度かけ、表面を馴染ませます。次にやや強めにブレーキを踏んでパッド面に焼きを入れます。
その後
500km程度走行するまでは、当りを付ける意味でも超ハードブレーキングは避けた方が懸命です。又、当面ローターとパッドは清掃を心掛けます。鳴き以外の異音が発生する場合には直ちに走行を止め、点検して下さい。
Check no rattle and squeaks except pads squeaks. It is necessary to avoid hard braking to get smooth surface of pads until 500 miles.

使用状況にもよりますが、本格的に性能発揮されるまでには時間を要します。 パッドの焼き入れとローターへの当りができるまでは、擦り音や鳴きが激しい場合がありますが、いずれ軽減してきます スロット入りローターならば馴染みは早く、初期性能を常に維持できます。
カーボンメタリックパッドは、ストリートユース程度のブレーキングではその性能の半分も発揮できない為、低速での鳴きが発生しやすくなりますが、絶対性能を考えればそのくらいは我慢の対象です。鳴きを軽減させるには、鳴き止めのパッド専用グリスの塗布を行うと多少効果がありますが、それでも鳴きがあるのはカーボンメタリックの特性が故です。強いブレーキングをすれば全く鳴きません。但し、後方車の為にもハードブレーキングの常用は避けたほうが懸命です。ブレーキダストは純正のセミメタリックパッドとほぼ同等でした。
競技用パッドには摩耗警告用金具が着いて無いので、走行距離を見ながら残量の点検を心掛けます。 パッド残量を見るだけならタイヤを取るだけで出来ます。減り具合は、どのようなパッドを使っていても走行状況によってかなり違うので、一概に寿命は言明できません。

これだけ制動力が増大すると、やはりステンレスメッシュテフロンブレーキホースとの併用が必然であると感じました。
ゴムホースと違って、強いブレーキングを行った時にもブレーキペダルを奥まで深く踏み込む必要が無くなる上、ペダルの踏み込み量や力に極めて順応した制動が得られるようになり、ABSも簡単には動作しなくなります。 ゴムホースは思っているよりも遥かに膨らんでいるので、膨らんだ分だけ余計なフルードと圧力が必要になってきてしまいます。ステンメッシュホースは、一度経験すると病みつきになる程のフィーリングを得られます。


<Russellステンレスメッシュテフロンブレーキホースの装着> Installation of SS Brake Lines

ステンメッシュホースの取付けには、エア抜きの為にブレーキフルード排出器(ワンウェイバルブ付が楽)と補充器が必要です。又、湿度の高い時は避けたほうが懸命です。 ブレーキフルードはDOT4を薦めますが、ブレーキオイルを一旦全て抜き去らなければならない(純正のDOT3と混じるとせっかくのDOT4が本来の性能を発揮できなくなってしまう)ので結構大変です。違いは沸点だけなので、通常のストリートユースではその差を感じることはできないだろうと思いますが・・・。但し、高性能なブレーキフルードを使用すると、沸点の違いだけでないことが体感できる場合があります。

フロント側は純正と同じ長さのものでOKですが、リア側(純正では同じ長さのものが使われている)はフロントより10cm位長いことが必要です。従って4本のうち長い方2本がリア用となります。
I recommend to install SS Brake Lines. Feeling of pedal become great. It's the best way to use DOT4 Fluid.
ブレーキパイプをホースから外します。ブレーキパイプの固定金具(10mmボルト)を外し、金具から既存のホースを外します。
新しいホースを着けます。
Russel製の場合、ホース固定フックとホースの間にワッシャが1枚入ります。ホースのルートは純正ホースと同じにします。
固定金具を装着してから、ホースのナットをレンチで抑え、ブレーキパイプのナットを締めます。ナットの締め付けトルクは16Nm
ホースとキャリパー側の接合ボルトの締付トルクは40Nm。ガスケットは必ず新しいものを使用(通常ホースに附属)します。
トルク不足はオイル漏れの原因に、過大トルクはボルトの破損につながるので注意して下さい。

Tighten the brake caliper inlet fitting bolt to 50Nm. Tighten the brake pipe nut to 18Nm.
交換が終ったらエア抜きを行います。 キャリパーのフルード排出バルブ(12Nm)を緩め(2/3程度、取らない)、排出器にブレーキオイルを入れたら(ホースはオイルの中につかっていること)、ホースを排出バルブにつなぎ(抜けないように固定)、1輪ずつ行います。
<ブレーキペダルを踏む(踏んだまま保持)⇒バルブを締める⇒ブレーキペダルを戻す⇒バルブを緩める⇒ブレーキペダルを踏む⇒>この一連の作業を排出されるブレーキオイルから気泡が出なくなるまで行います。
作業順番は、<右後⇒左後⇒右前⇒左前> です。 →エア抜き作業(Air Bleeding)

It is necessary to bleed air in brake Fluid.

ワンウェイバルブの付いた排出器ならば、気泡が出無くなるまでブレーキペダルを何度か奥まで踏み込むだけです。一回毎にバルブを締める必要が無いので、一人作業が可能です。 ワンウェイバルブの装着向きを間違えないように注意します。 →ワンマンブリーダーによるエア抜き作業(Air Bleeding)
新しいブレーキオイル分を常に補充してリザーバータンクをカラにしないように注意します。万一下限を越えるとエアが混じってしまいます。
エア抜き作業中は、ブレーキパッドとローターの隙間に手やものを挟まないように注意して下さい。
ブレーキキャリパーは必ずパッドを組込み、全てを装着状態で行います。

補充の際には、水分の混入並びに湿気の多い場所での作業は禁物なので、補充器の利用が万全です。 水分の混入はブレーキフルードの沸点を下げてしまい危険です。又、ブレーキフルードは塗装面を侵食するので注意して下さい。
作業は単純ですが、一つ間違えばブレーキが効かなくなってしまうので、細心の注意が必要です。
片側及び前輪だけの交換で絶対に走行しないで下さい。 又、ブレーキホース、ブレーキフルードは粗悪品に十分注意して下さい。

ブレーキホースとブレーキフルードの交換はプロに頼んだ方が懸命です。必要な工具や機器類の購入費用で、作業費が捻出されてしまう場合があります。ちなみにヤナセの工賃は、補充したブレーキフルードを含めても2万5千円程度です。

→ワンマンブリーダーによるエア抜き作業


I recommend this work to do at factory.


<クロスドリルドローターへの加工> Cross Drilled Rotor
 

制動能力が格段に向上して余裕ができたので、今度は連続ハードブレーキング時の放熱力増大化を目的にスロット入りローターにクロスドリル穴を開けてみることにしました。
参考にしたのはBrembo製の13.5インチディスクローター。
ローターを装着したまま作業を行う場合には、ローターがガタつかないようにホィールナットで固定しておき、作業中にローターが回転しないように押さえ付けておく方法を講じます。穴あけ作業中にローターが回転すると、位置がずれたりドリル刃が折れてしまったりするので注意が必要です。
又、裏側に貫通した際にドリル刃で周囲の重要な部品やホース、ケーブル等を傷付けないよう作業位置に配慮します。
やってしまったら取り返しがつかないばかりか、もう走れなくなってしまいます。コルゲートチューブをホースやケーブルに被せておくと安全です。
労力のわりに期待するほど効果が無かったのでお薦めはできません。又、制動力も明らかに低下しました。

I don't recommend this work because no merits.


必要工具:5mmドリル刃、バリ取り刃、電動ドリル、そして根性!!

 
4〜5mm程度の鋼鉄用ドリル刃(3〜4本用意したほうが良い)と電動ドリルで、ローター内部のフィンのカーブに沿ってフィンとフィンの間の中心を正確に内周から外周にかけて等間隔に2〜3個の穴を空けて行きます。表側が空いたらそのまま裏側まで貫通させます。
くれぐれもフィンのある場所に穴を空けないこと。万一フィンに当たってしまったら、そこで終わらせ、裏側まで貫通させないこと。
強度確保の為、ローターの最外周及び最内周からは最低でも1.5cm以上離すこと。穴同志の間隔も同様。スロットの周囲は空けないこと。又、スロットは表側と裏側の位置が交互になっている場合があるので注意すること。ちなみにRM Racing社製は、45°毎に表と裏が交互に入っている為、結局は22.5°毎にスロットが在ることになり、空けられる穴の数が当初の予定よりも減ってしまいました(スロットとスロットの間でせいぜい5個程度。無闇に沢山空ける必要はありません)。又、フィンのカーブがスロット位置周辺では強度確保のためなのか微妙に変化しているので注意すること。
フィンのカーブを型取った型紙を一枚つくり、それを元にペンでローターにフィンの位置を書きこむと正確な作業がやり易くなります。
ドリル刃は、20個程度穴空けが終了した段階でほぼ駄目になるので、新しいものに交換したほうが効率が良いです。
穴が開いたら、表と裏両方をバリ取り刃を使ってバリ取りを行います(手で触っても突起感や引っかかり感が無くなるように丁寧に)。最後にフィンの隙間や穴の中に残存した削りカスをきれいに除去します(残っていると走行時に周囲にまき散ってしまいます。カスは勿論燃えないゴミです。道路や駐車場に放置すると、後で錆びて汚くなるので注意)。全部の作業が完了したら、ローターの表面をブレーキクリーナーで清掃します。書いたペンの軌跡もブレーキクリーナーを布で拭き取れば消えます。開いた穴の内部に、耐熱性防錆塗料を塗布すると尚良いでしょう。
以上で完成です。4輪全部を行うには、かなりの根性と体力が必要です。私の場合、結局リアはやらず仕舞いでした。

⇒注意:ノーマルの純正ローターに本加工を絶対しないこと。強度面と耐磨耗性で性能保証ができません。


<使用レポート> Report

●カーボンメタリックパッドとスロットローターの組み合わせにより、効きという面では効果絶大です。
ブレーキング時のペダル踏力が20〜30%軽減できる程です。
又、ステンメッシュホースが、性能の向上したブレーキのコントロール性をなおさらアップすると言う感じです。
Performance of brake increase almost 20 to 30%, I feel. And stroke of pedal become shorter about 20%.
●有効ブレーキペダルストロークも20%程度短くなりました(つまりそれだけゴムブレーキホースが膨らんでいたということです)。
ペダルの踏みこみ度合いと制動度合いがきちんと一致するため、ABSのお世話になることが減ります。
Control of braking become so easy and response is great.
●通常の軽いブレーキング(但しそれで十分止まります)では、かなり鳴きが発生する(特に乾燥している時期)ので、ある程度のハードブレーキングが日常化する危険性があり、後方車の為にも注意が必要です。
It's enough to foot a little bit to stop however get big squeaks. No squeaks when hard braking(mind back cars).
●リアハッチ内に荷物を入れている場合は、前に飛び出してくる危険があるので、固定に十分な配慮が必要になります。⇒既存のネットだけでは到底無理なので、カーペット上に市販されている滑り止めシートを敷き、張力のもっと高いネット又は既存ネットを強力な張力のゴムに交換 したものでホールドすると良いですね(バイク用の荷物固定ゴムやネットが強力で良い)。
You should fix your luggage in rear. I recommend to fix them another way, not by Persil net.
●ブレーキ性能の向上は、タイヤの回転を止める力が増大しただけであって、タイヤ自身がスリップしてしまえば意味がありません。従って滑りやすい路 面でABSに頼り切ったハードブレーキングは危険が伴うので注意です。
Please be careful on slip road. High performance brake has no effect on slip road.
●クロスドリルド化は、とりあえずフロントだけ終わりましたが、穴の数が少ない所為なのか、それともそもそも効果が無いのか、摩擦音による鳴きは期待したほど低減せず、相変わらず鳴いています。制動力そのものは軽度のブレーキング時にそれまでより僅かに強めの踏力を要する程度で、絶対的には然程変化は無いように感じましたが、結論から言えば、
労力のわりに効果は得られないので、全くお薦めは出来ません。
いずれはBrembo製を装着することになってしまいそうな気配がありますが(フロントコンプリートキット+リア用ディスクセットでUS$3,500.!!)、そこまで必要かどうか(つまりそれほど効くブレーキが要求される走りをするかどうか)ですね・・・。またフロントホィールの18インチ化も必要になります。
さらに心配の種は、C4の時にBremboを装着した際ブレーキ性能が強力過ぎてサスペンションやハンドルまでもが負けてしまったことです。
C5も同じ事態になるとすれば、かかる費用と手間はブレーキだけに収まらなくなってしまうことになるので、街乗りだけなら、この辺が妥協点かもしれません。
I did cross drilled only front but it's no effect therefore I'll not do to rear.
I think it's the best way to install Brembo with 13.5inch rotor and 18inch wheel however its cost will be almost $8000!!
And also required to change something about Front Suspension, I guess.



⇒BAER社Eradispeedスロット&クロスドリルローター&HAWK社Autocrossブレーキパッド装着