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<C5日誌>

2002年

 9月 1日

遅い夏休みで快晴に恵まれた清里高原へ行って来ました。
出発早々、都内の渋滞で水温が異常上昇してきました。エアコンも効かずに熱風が出てきました!!
いったい何が起こったというのでしょうか。出発直前にエアコンガスのリターンホースに遮熱処理をしたのですが、どうもそれが仇になったようです。
行きはオーバーヒート直前に高速道路へ入れたために事無きを得たのですが、帰りは都内の渋滞突入直後に、過熱によりコンプレッサーがONにならずエアコンが全く効かなくなり、帰宅直前の30分は灼熱地獄を味わうことになってしまいました・・・。
涼しい高原のお陰でエアコンを使用しなくても走れたため、オーバーヒートに悩ませることはありませんでしたが、八ヶ岳高原道路を快走していたと思ったら、大きな段差を越えた時に衝撃音と共に左前の車高が下がりました。一体何が起こったかと思ったら、コイルオーバーのコイルスプリングを支えるアルミ製トップハットが壊れていました!!
いくらピロアッパーにより荷重がダイレクトに伝わってしまったとは言え、あまりに酷過ぎます!!
車いじりに理解のある宿のご主人のお陰で、軒先を借りての応急修理です。
遠出をするときの常で、工具とジャッキを積んで行ったのが幸いでしたが、修理するための部材がありません。
あれこれと考えたあげく、ジャッキに付属していたサポートアダプターがちょうど良いサイズだったので、それを使って事無きを得ました。

今回壊れたのは左前だけですが、帰宅後、他の3輪を見たところ、やはり何時壊れてもおかしくない状況に陥っていたため、新しいアルミ製のトップハットが出来上がるまでの間の暫定処置として、3mm厚のスチールワッシャを、トップハットとシャフトのサポート部分の間に装着し、荷重をセンター部分だけからハット全体に分散するようにしました。
本品(West Coast Corvette社より購入)は、性能以外の全てが製品として必要な耐久性を備えていないので、日常の足としては到底使用できるものではありません。
オーバーヒートの原因を探ってみたのですが、まず、エアコンガスのリターンホース遮熱処理を止めました。それから、ヘッダースとの間に断熱用アルミ板を装着しました。
遮熱処理は周囲からの熱を遮断すると同時に、巻き付けたものの放熱も遮断してしまうため、過熱したエアコンガスが放熱されず、コンデンサーが異常過熱してラジエターに影響を与えてしまっていたようです。
何故そうなってしまうのかについての理論的解明は出来ていませんが、明白な事実がある以上、従わざるを得ません。
いくら電動ファンで強制吸気をしても、異常過熱したコンデンサーの後に配置されているラジエターに熱風しか当らなければ、冷却のしようがありませんね。その証拠に、ATFクーラーコアはコンデンサー前に装着されていたために、熱風を直接受けることが無く、水温が115℃に達してしまうような状況においても、ATF温度が95℃以上になることはありませんでしたし、エアコンをOFFにすれば、水温は直ぐに下がっていました。
さらに、エアコンガスの温度センサーが装着されている場所にATFクーラーラインが配管されていたため、そこにも遮熱処理をしていたのですが、それも取り外すと共に、ATFクーラーラインのルートを変え、今度はATFクーラーライン側に遮熱処理を行いました。
短時間のアイドリングによる点検しか出来なかったのですが、エアコンをONにして水温が90℃に達した以降も、それ以上に上昇することが無かったので、おそらくこれで大丈夫だろうと思います。

 9月 4日

コイルオーバーのトップハット損壊を防ぐための暫定処置方法を紹介しておきます。
ショックのシャフトとアッパーマウント用シャフトを接合している部分の19mmナットにスパナを掛け、緩み防止用22mmナット(下側の薄い方)を時計回り方向に回して下側に移動させます。
そして、シャフトをプライヤー等で挟んで空転しないように固定し、19mmナットを反時計回り方向に回して緩め、22mmナットと共にショックのシャフトから外します。
トップハットのセンターがシャフトからずれないようにするため、M12ボルト用のワッシャをハットのセンター部分に装着し、その上から、M13用の3mm厚スチール製ワッシャを被せます。
これで、荷重は構造上軟弱なハットのセンター部分だけから、ハットのワッシャとの接触面全体に分散されることになります。
元通りに組み立てて完成です。本作業はアッパー部分を外さなくても行うことが可能です。

上記はあくまでも暫定処置なので、最終的には、十分な耐久性を持つ新しいトップハットをアルミブロックから旋盤により切り出して製作します。
当初どこかアルミ材の加工工場に依頼するつもりでいましたが、適切な素材が見付かった(一個分で\580.)ので、自分でつくることにしました。
直径60mmのアルミシャフトを30mm幅に裁断したものに、センターにシャフトが通過するための12mm+α(0.2mm程度)径の穴を空けます。この穴の位置は正確にセンターを出す必要があります。
次に、下部10mm程度の部分を47mm径になるまで削ります。この部分にコイルスプリングが入ります。
特に必然性は無いのですが、形状を整える意味で、残り20mmの部分の周囲を斜めに削りました。
但し、M13用ワッシャが入るエリアは確保しておきます。作業は旋盤さえがあれば、それ程大変な作業ではありません。
装着時には、擦れることでアルミが削られてしまうのを防ぐために、トップハットとシャフトとの接触部分に前記暫定処置時に装着した、M13用スチール製ワッシャを装着すると共に、シリコングリスを塗布しました。
結局、本コイルオーバーショックは、アッパーサポート、フロントロワーサポート、トップハットと、コイルスプリングとショックアブソーバー以外は全て別のものに換えなければ使用することが適わないという、実に情けない製品です。
今後コイルオーバーサスペンションの装着を考えておられる諸兄は、決して本品、又はこれに近いような完成度が極めて低い製品を購入してはなりません。
C4時代にも、コイルオーバーでは随分と悩まされてしまったことは以前にも記したことですが、アメリカで本品を購入して装着しているユーザーが、どうして文句を言わないのか、また、販売店が何も憂いを抱くことなく平然と本品を売っている実情が、私には理解出来ません。
これまでの経験からすると、安心して購入することができるアメリカ製品は、やはりメーカーとしてのブランドイメージが確立したものに限るということになるのでしょうか。
例えば、B&B社、Be Cool社、アールズ社、Hotchkis社、BAER社、B&M社等、個々の販売店が独自に開発したものでは無く、どこの販売店でも扱っていたり、日本でも輸入販売代理店が扱っているものです。
ちなみにWest Coast Corvette社では、最近本品に関する私からのクレームを受理し、基本的に、日本向け販売出荷は装着不能という理由で、しなくなったとのことです。従って、もし購入される場合には、どのような問題が発覚しても一切のクレームは付けないという約束をしなければなりません。
少なくても価格(と言っても改良のために随分と手間と費用がかさんでしまうのですが・・・)と性能については満足できる水準にあるだけに、残念でなりません。
リアウィングの装着により円滑な開閉作業及び開固定が難しくなってしまったリアハッチですが、前回候補にしたものはトランザムのフロントフード用で、長さが短く、交換はおろか、追加装着すら出来ませんでした。
そこで、やはり交換するには長さ的に不適当(こちらは逆に長過ぎるのでは・・・)であると思われるものの、追加用としては使えるであろうと思われる、同じくトランザムのリアゲート用を試してみることにしました。結果は後日報告します。

Breathless社からオイルフィルターの交換用O-リングが10セット到着しました。
また、万一の事態に備えるため、さらに2個のオイルフィルターとフィッティングも追加注文していたのですが、それも同時に届きました。
ところが、ホースとの接続に使用するフィッティング部分は同じ規格品でしたが、フィルター側は以前来たものとは別の規格のネジ穴になっていました!!
フィルターそのものを交換するので、アダプター形状が変わっていてもフィッティングの規格さえ同じであれば実質的な問題は無いのですが、もし、今回このアダプターを注文せずにフィルターだけであった場合には、危うく使用できないものになっているところでした。
ネジ穴は口径が一回り程度大きくなり、さらにそれに適合するアダプターは太く短くなり、根元にはOリングが装着されていました。
進歩して、より機能面でも耐久性面でも性能が向上するのは喜ばしいことですが、その変更に対して何ら情報提供が無いのは困った問題です。
これで、合計3個のオイルフィルター(1個はA氏から譲っていただいた)と、8個の交換用フィルターカートリッジ(こちらもA氏から4個譲っていただいた)に10セットのO-リングが揃ったので、今後、平均5000km走行毎に一回交換を行っても、5万km走行分は確保されたことになりますから、また知らぬ間に突然の製造中止や部品サプライの停止が起こっても、しばらくの間は安心できます。

 9月 17日

仕事とプライベートの両方で多数の問題が同時に発生したために、しばらくHPの更新も、車いじりも出来なくなっていました。
相変わらず問題は解消していないのですが、着々と改善の方向に進んでいると信じるしか無いですね。
オイルクーラー装着に必然であるコルベットC5専用のオイルブロック試作品が完成しました。
本品は現車を元にサイズを出して、国内で製作したワンオフですが、量産するために必要な部材及び工具類を全て新しく整備したため、今後は既製品と同じ扱いで生産が可能なものになります。
価格等詳細及び現品の詳細については、今週中に明らかになります。
製作を請け負っていただいた会社では、クーラーコア及びホース、フィッティング類を含めたキットとして広く一般に販売を行うとのことです。
いくつかの諸問題を抱えるアメリカ製を輸入するよりは確実で、信頼できるものであることは保証できます。
せっかくオイルフィルターを始めとした消耗品類一式が揃ったBreathless社のオイルクーラーですが、本品が出来上がって来た段階で、早速換装してみる予定です。
コイルオーバー用のトップハットは、新しい旋盤で早速製作を行い、現在耐久テスト中です。
絶対高をあまり大きくしてしまうと車高に大きな影響を及ぼしてしまうため、前回図面公開したものよりも全高を10mm短くして20mmとし、コイルサポート部分の段差を5mm、その上側を15mmとしました。