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ハイパーテックパワープログラマーVによるデータ書換を行いました。 本品はC5のコンピューターが制御を行う際に、各センサーからの信号を元に実行内容を算出するための基本データバンクの数値設定を書き換えてしまうものです。 最も簡単なものとしては電動ファンの回転開始水温の設定があり、特に高負荷連続走行時には水温があまり高くないうちから電動ファンを二つともに働かせておくことで効果があります。 また、シフトポイントやロックアップポイント、レブリミッター、速度リミッターの設定変更も可能です。 |
本機は97年から00年モデルまでそれぞれ専用のものになっており、年式の違うものへの接続はできません。 |
<接続方法>
本体と車両との接続は、運転席ダッシュボード下のテックU用接続コネクター(OBDU)に接続します。 |
本体側と付属のシリアルケーブルを接続し、その先に車両側との接続用変換コネクターを接続し、それをC5に接続します。各ケーブルの接続部分は固定用ネジを最後までしっかりと締め、接続不良や接触不良が起こらないように注意して下さい。
接続は必ずイグニッションOFF状態で行います。
使用前にバッテリーが十分に充電状態にあることを確認します。 パワーウィンドゥ、カーオーディオ、エアコン等の電装品類は全てOFFになっていること。 使用方法については間違いの無いよう十分注意すること。 |
<使用方法>
@ケーブルの接続が完了したら、キーをイグニッションONの位置にします(但しエンジンは始動しません)。
Aパワーテックプログラマーの「▲(START)」キーを押すと起動し、起動画面が出てプロダクトコートの呼び込みと書き込みを行ないます。
B最初のメニュー画面がでてきたら、プログラム変更開始です。以下、変更内容についての作業手順を表示します。
設定を元に戻す際の基本データとするためのメモリーで512KB。
もしこの画面が現れない場合にはキーがON(RUN)の位置にあることを確認する(但しエンジンはスタートさせないこと)。
内容は以下のとおり。 @160F°(71℃)パワースタット(ハイパーテック製サーモスタット)とオクタン価93以上のプレミアムガソリンの使用を前提とした点火時期と空燃費設定(RFG TUNING)。 A空冷ファン回転開始温度を、ファン1:218F°(103℃)⇒175F°(79℃)へ、ファン2:228F°(109℃)⇒185F°(85℃)へ変更。 Bレブリミット回転を、6200rpm⇒6400rpmへ変更。 上記の条件を満たしている場合に「Y」を押すと、そこで直ぐにインストールが始まる。⇒インストールへ ハイパーテック製のサーモスタットが装着されていない限り本設定のインストールはできないので、「N」ボタンを押し、項目別のマニュアルプログラミングモードに入る。
A.エンジンチューニング
「N」ボタンを押すと変更は行われない。オクタン価93以下のガソリンを給油する可能性がある場合には適応しない。 以下、「Y」を押した場合の設定方法。
当然、日本では無鉛ガソリン以外の使用はできないので、「RFG TUNING」を選ぶ。
B.エンジンレブリミッター
変更する場合は、「▲」と「▼」によりレブリミット値を変える。設定可能値は、5500〜6600rpmで、一回の操作で100rpmずつ可変。 推奨最大値は6400rpm。200rpmのマージンによりシフトアップポイントや最高速度の設定値変更に余裕が生まれるが、 ピークパワーの発生回転数が変るわけでは無い。 通常ノーマルでは5750rpm辺りでピークパワーとなり、それ以上回してもパワーが上がることは無いが、 ヘッドやカムを交換して発生ピークパワーが高くなった場合に有効なチューニングとなる。 C.電動空冷ファン回転温度
「Y」を押すと次の画面が現れ、設定変更を開始する。
@195F°(90℃)サーモスタット(純正品)使用時:ファン1⇒200F°(93℃)、ファン2⇒210F°(99℃) A180F°(82℃)サーモスタット使用時:ファン1⇒185F°(85℃)、ファン2⇒195F°(90℃) B160F°(71℃)サーモスタット使用時:ファン1⇒175F°(79℃)、ファン2⇒185F°(85℃) サーモスタットが低い温度で開き、さらに低い温度で電動ファンが動作することで水温が常に一定温度以下に保たれ、それがクールエンジン⇒クールエア⇒モアパワーの思想につながるもの。エンジンルーム内を含めオーバーヒート気味であるよりは絶対良いに違い無い。 D.スピードリミッター
「Y」を押すと、タイヤの種類に対応したスピードリミッター値に変更を行う。 通常、ZRタイヤを標準装着していれば、255MPH(408km/h)が最大値。
変更していない場合には「N」。 変更する場合には、「▲」と「▼」でタイヤサイズの設定を24インチ〜30インチの間で0.25インチステップ(1inch=0.0254m)で増減を行う。 純正以外のタイヤとホィールを使用している場合には、本設定により変更を行うとスピードメーター、オドメーター等の誤差が補正される。 F.リアアクスル
設定されているリアアクスルの値は以下のとおり。 GU2:2.73、G92:3.15、GU6:3.42 ちなみにA/Tの日本仕様は、G92。 本設定を無闇に変更するとスピードメーターの表示も変更されてしまうので注意。 G.シフトポイント(A/Tのみ)
データが無いので「N」を推奨する。
同じ要領で、2−3、3−4の設定を行う。 表示の意味は、シフトアップする速度と回転数の相対関係値を設定するもので、表示の速度を上げれば(+)それだけシフトアップポイントは早く(つまりより低い回転数と速度でシフトアップする)なり、下げれば(−)それだけ遅く(つまり高い回転数と速度まで引っ張られる)なる。 以下、各シフトギアの基準設定数値。 <リアアクスル3.15、純正サイズタイヤ装着時> 1−2 SHIFT:1MPH(1.6km/h)=121rpm(つまり「レブリミット値」÷121×「1」がシフトアップの速度) 2−3 SHIFT:1MPH=65rpm 3−4 SHIFT:1MPH=40rpm H.シフトファームネス(A/Tのみ)
「Y」を押すと次の項目へジャンプし、「N」を押すと以下の画面に変わる。
「Y」を押すと、ロックアップ度合(パーセンテージ)を変更できる。
100%の場合、画面上の%による数値表示は無い。 シフトファームネスを向上させるとスリップが減少してシフト時間が短くなるが、ラインプレッシャーが上がるので耐久性面での問題は避けられない。 I.レポートとインストール 全設定が完了すると、以下の画面となり、設定値が画面上に順次に現れる。
「Y」を押すと設定したプログラムがインストールされる。
インストール中は接続ケーブル類を抜いたり、キーOFF、エンジンスタートはしないこと。 XX%が100%になって終了。転送には10分程度かかる。また、インストール中に各機能に対応する動作テストが行われる(警報が鳴り警告表示が出たり、エアコンのモード切替が動作したりする)のでバッテリー電圧に要注意。 万一途中で電圧低下警報が鳴ってしまった場合、そのままインストールを続けると始動困難になってしまうが、そこで中断するとインストールが中途半端で終わってしまうため未知のトラブルが発生する可能性がある。従って始動困難を覚悟で最後まで実施し、その後充電器によりバッテリーを回復させてから再度インストールを行うこと。 インストールが完了すると以下の画面となる。
この時も数分時間を要する。
本表示になったら、キーを最低10秒間、OFFにした後でプログラマー本体のキーをどれか押すと本体電源がOFFになる。
続けて以下の画面が現れる。
「N」を押すと、再設定変更開始となる。 「Y」により設定を変更前に戻す場合でも、前記変更内容をインストールしたときと同じ画面が現れ、変更前の設定プログラムがインストールされる。インストールが完了した後の手順は変更時と同じ。 純正状態に戻した場合には、ハイパーテックパワープログラマーによるインストールデータは全て消失する。 ハイパーテックプログラマーをプロダクトコードが違う別の車両に使用する場合には、本操作により純正状態に戻すことが条件になっている。 つまりプログラミングを行える車両は常に一台だけと言うこと。 |
ハイパーテックといえば、各種コンピューターチューニングチップを発売しているメーカーとして有名なので、メーカーが最初に設定している空燃比と点火時期設定、電動ファン回転開始温度設定(純正サーモスタット使用時)、レブリミット変更(6400rpm)をインストールしました。 またシフトポイントについては、1-2 shift のみテスト的に +1mph に設定しました。 これから暑くなってくると電動ファンの回転開始設定温度の低下が大変有効になります。アメリカ(暖かい地方)ではサーモスタットを純正よりも低い温度で開くものに変更することがチューニングの一つとして定着しています。 とりあえずコンピューターへの影響は無く、現状でインストール以降における障害の発生は特にありませんでした。 @「RFGチューニング」をインストール Bレブリミットを「6400rpm」に変更 |