[効果:水温の上昇を抑制するための必需品。効果を上げるためには電動ファン回転開始温度設定の変更が必要。]
水温を下げ、エンジンルーム内の過熱を軽減させて吸入気温度を低く保つことでパワーアップを図るグッズとしてローテンプサーモスタットへの交換があります。
今回は使用が灼熱の環境下では無いことから、ハイパーテック社の178F°タイプ(160F°/71℃タイプもある)にしました。 尚、本品の装着にあたっては、同社のパワーテックプログラマーVによるプログラム変更を行ったほうがより効果的で、具体的には電動ファン回転開始温度の変更となります。→電動ファンコントローラーによる制御 |
@サーモスタットの取外しと装着 Installation
作業は冷却水が冷えている時に行うこと。さもないと大火傷に見舞われることになってしまいます。
マニュアルでは冷却水を抜くように指示されていますが、エンジン始動前に敏速に作業を完了させれば漏れ出る量を制限できます。さらに、こぼれ出る部分の下にバケツを置いてキャッチすれば再使用も可能になります。
直下にあるエアコンコンプレッサー等の機器類及び配線類に漏れ出るクーラントが直接かからないようにタオル類でカバーをすること。
ラジエターからサーモスタットハウジングへと接続されているホースの固定リングをペンチやプライヤー等で緩めて手前にずらして、ホースを抜きます。この時にホース内に残っているクーラントが漏れ出てくるので、直ぐにタオル等をホースに入れて塞ぎます。水温が低くサーモスタットが閉じていれば、サーモスタット側からの漏れはありません。
Disconnect Coolant Hose from thermostat. Coolant flow out from hose therefore put cloth into hose. |
サーモスタットハウジングの固定ボルト(10mm)を外してサーモスタットをハウジングごと外します。 サーモスタットが外れると直ぐにエンジンブロック内のクーラントが大量に漏れ出てくるので、可能な限り素早く新しいサーモスタットを装着して漏れ出るクーラントを最小限に防ぎます。 ハウジング固定ボルトを10Nmで締めます。ホースを着けて固定用リングで固定します。 Remove bolts and Thermostat Hausing. Coolant flow out therefore install new thermostat as soon as possible. Tighten bolts to 10Nm. |
エンジンを始動してクーラントの漏れが無いことを確認します。 リザーバータンクのキャップを開けたまま暖気してサーモスタットを開け、そのまましばらくアイドリングを続けてエア抜きを行います。クーラントが不足してきたら補充します。 クーラントから泡の出るのが消えたらキャップを締めます。 走行後に再度クーラントの漏れが無いことと、量を再度点検します。 Start engine and heat up to open thermo. Check no coolant flow out anywhere. Add coolant if necessary. |
A電動ファン回転開始温度設定プログラム変更
New DATA Installation
パワープログラマーの使用方法は、こちらを参照して下さい。以下、関係のある部分だけを抜粋します。 →電動ファンコントローラーはこちら
It's better to install new data by Hypertech Power Programmer.
「Y」を押すと次の画面が現れ、設定変更を開始する。
@195F°(90℃)サーモスタット(純正品)使用時:ファン1⇒200F°(93℃)、ファン2⇒210F°(99℃) A180F°(82℃)サーモスタット使用時:ファン1⇒185F°(85℃)、ファン2⇒195F°(90℃) B160F°(71℃)サーモスタット使用時:ファン1⇒175F°(79℃)、ファン2⇒185F°(85℃) 今回装着したものは178F°タイプなので、「A180F°」を選ぶ。 |
<使用レポート> サーモスタットを外した時に漏れ出てくるクーラントの量が予想していたよりも多量であったため、補充は水で無く一応クーラント混合液にしました。補充した量は2リットル程度。 サーモスタットを交換したからと言ってパワーアップ面で特に表立った変化があるわけではないので報告すべきものはありません。 目に付く違いは、やはり水温が90℃を越えることがまず無いということです。エアコンを使用した炎天下の渋滞でも水温は90℃で安定し、水温が上昇したとしても、せいぜい100℃止まりになりました。160F°タイプを装着すれは、より低い数値に抑えることが可能になるでしょう。 但し、夏季の炎天下や、ハードな走行(例えばサーキット走行)を行った場合における水温上昇を防止するためには、たとえ160F°タイプを装着してもサーモスタットの交換だけでは対応しないので、ラジエターやクーラントの交換が求められそうです。 サーモスタットの交換は水温を基準値より低く保つ機能はあっても、一旦上昇してしまったものを下げる機能は持ち合わせていません。 |