競技品パーツを主体に製造販売しているブレスレスパフォーマンスプロダクツ社製のオイルクーラーを装着しました。 |
本品は99年モデルに装着したものですので、97〜98年及び2000年以降モデルと詳細で違う場合があります。 |
Breathless Performance Products社製のオイルクーラーは、ブロック、ホース、フィッティング、クーラー、フィルターがそれぞれ単体で入っているだけなので、ホースの切断とフィッティングの装着及びクーラー、フィルター類の装着用の金具類は全て自前となります。 交換用フィルター(カートリッジのみ)は別売りで1個がUS$25ですが、4個まとまるとUS$80になります。純正のPF44フィルターに比べると、かなり割高になるので、フィルターリロケーションキットを追加装着した方が良いでしょう。 取付に際して必要な説明書の類は一切付属していないので、フィッティングやジョイントアダプター類の締め付けトルクは全て独断によるものです。 |
いずれ機会を見てリモートオイルフィルターマウントを接続して汎用オイルフィルターが使用できるようにするつもりです。 |
作業前にオイルブロックからフィルターを経由してクーラーユニットまでの配管位置を決め、付属のステンメッシュホースを切断し、それぞれ両端にフィッティングを取り付けます。 Measure length of each hose. |
ホースの切断は外周をテーピングしてから金鋸で行います。大型のニッパでも出来ます。 Taping outside and cut. |
フィッティングのナットをホースの外側へ装着します。外側のメッシュネットの毛羽立ちが大きい場合には入りにくくなるので、装着前になだらかにしておきます。 Put fitting nut into hose end. |
先端をホースに接続してからナットを締めます。ホース口にはエンジンオイルを少し塗ります。 フィッティングのホースへの取付作業は丁寧に慎重に行うこと。 Screw fitting into nut. |
オイルバイパスブロックを布で巻いて保護してから万力で固定し、フィッティングジョイントアダプター(45°の角度が付いた銅合金製)のブロック側へネジ込まれるオスネジ(先端が平らの太い方)にテフロンテープを巻き、オイルバイパスブロックに取り付けます。 Screw fitting adaptor wrapped Teflon tape around screw into oil by-pass block. |
ブロックの外側斜め上方向に停止するようにネジ込んで行きます。 テーパーの付いたネジ山なので、数回転程度でそれ以上ネジ込めなくなり、ネジ山が1/3程度程度露出しますが、それでOKです。 Direction of fitting adaptor must be up side. |
純正のオイルフィルターを外します。 オイルが漏れ出て来るので、キャッチトレイを下に用意します。。 フィッティングの着いたホースを接続し、ガスケットに薄くエンジンオイルを塗ってエンジンブロックに装着します。エンジンブロックへのネジ込みの最初は必ず手で行います。ブロックが正しい位置にないとスムースに入って行きません。 ホースのフィッティングナット締付トルクは20Nm程度、バイパスブロック固定用ボルトの締付トルクはオイルフィルターと同じ、30Nmにしました。 Connect fitting with hose. Remove Oil Filter and install oil by-pass block tighten 30Nm. |
尚、バイパスブロック固定ボルトの締め付けには、「1-1/2"(約38mm)」のソケットが必要です。またこれら大口径のソケットは、取付口が3/4である場合が多いので、使用するレンチサイズが違う(通常は 1/2 と 3/8 が多い)場合には変換アダプターの用意も忘れずに。
ホースがエギゾーストパイプに近い場所を通過するので、パイプ側をバンテージ処理し、ホース側にも遮熱処理を行いました。 Wrap Vantage around exhaust pipe because hoses pass through very close position. |
オイルバイパスブロックの時と同様に、オイルクーラーコアとオイルフィルターにフィッティングジョイントアダプター(こちらはアルミ製)の上部が平らの方にテフロンテープを巻いて取り付けます。 クーラーコアはそれほど強靭では無いので、締付けに際してはコア側のナットにもレンチを掛けて行います。 Install fitting adaptor wrapped teflon tape on screw into Oil Cooler core. |
テフロンテープを巻くと、巻かなかった時と違って最後までしっかりと締付けが適います。 Teflon tape wrapping required to screw to final position. |
低速走行時の冷却効率を上げるために、10インチサイズの小型電動ファンをクーラーコアの裏側に取り付けました。使用した製品は、DERALE社のTornado。フィンの形状が竜巻のようであるところからこのような名称が付いていると思わますが、本品は通常のファンと違い、排出または送出のどちらか一方では無く、半分が排出で、もう半分が送出することが出来るものです。専用の取付キットも付属していました。 電源接続は左側電動ファン用に行っています。 Install electric fan(10") back side of cooler core. I install "Derale Tornado". |
バイパスブロックのFLOW OUT側とフィルターのIN側と接続し、フィルターのOUT側とクーラーコアのIN側を接続し、クーラーコアのOUT側をバイパスブロックのFLOW
IN側に接続します。フィッティングナットの締め付けトルクは、20Nm程度。 接続したらエンジンを始動して、まずアイドリング状態で各接続部分からオイル漏れが無いことを確認します。 Connect all hoses and start engine to check no oil flow out around all connect position. |
今回、装着は左側ホィールハウス後方のサイドエアスクープ内に行いました。右側の同じ場所にはPCMが鎮座していますが、こちら側は空っぽです。 ホースの取り回し距離も合計で2m程度で済むため、油圧低下に対する危惧も少なくできます。 カバーはホィールハウス側の他に下側にも3本固定ボルトがあります。エアスクープを塞いでいるカバーが装着してある場合は、これも外します。 Install Cooler and Filter inside of left side air scoop. Remove cover and panel on air scoop. |
サイドエアスクープ内部は、そのままドア付け根へとつながっているため、このままだと電動ファンにより排出された熱風がドアを直撃し、ドア内部が熱くなってしまいます。 それを避け、さらにサイドエアスクープより効果的に排出をさせるために、アルミ板で左図のような壁をつくりました。 |
下部開口は、このような感じです。 はじめからここを開口して熱排出をさせるためにあると思えるほど適切な位置になっていました。 |
クーラーコアは、出入り口が左右どちらかに向くように設置します。上側がINで、下側がOUTになります。 設置作業中にホースの位置を変更させる場合には、フィッティングを少しだけ緩めてホース根元を回転させます。負荷をかけてホースを捻じ曲げないこと。 クーラーコア、オイルフィルターを固定します。固定は既製のアルミ製アングル金具とM6ボルトナットを使用し、ボディシャーシに行いました。また、フェンダーの内側には防熱対策として遮熱シートを貼り付けています。 Install Cooler core and oil filter in back side of front wheel, inside of side air scoop. |
ステンメッシュホースのルートは、サスペンションとの干渉を防ぐために、ボディ側ホィールハウスに開口しました。クーラー装着位置からバイパスブロックまでの最短直線ルートは、ステアリングシャフトとの干渉が起こるので、Aアーム根元側を迂回させる必要があります。 Make holes here for hose routing and it is necessary to route up side of front A arm with enough space to avoid damage by A arm moving. |
クーラーコアへの空気導入効率を上げるため、ホィールハウスのカバーを開口し、さらに下部には排出用の開口を行いました。吸入側には防塵防護策としてアルミ製のメッシュプレートをフィルターと共に取り付けています。 Make hole and install aluminum slotted plate with air filter on wheel house cover. |
各接続部分の増し締め忘れを点検したら、エンジンを始動し、オイル漏れが無いことを確認します。
また、作業中に流出した分を含め、クーラーコアへの循環する分だけ使用オイル量は増加するので、不足したエンジンオイル(オイルフィルター取外しに伴う流出を含め、約1.5リットル余)を補充します。
Check again no oil flow out anywhere and add new engine oil(almost 1.5
litters required).
オイルフィルターは、純正のPF44と比べると容量は約倍程度。 中のカートリッジだけを交換することができます。左右のナットにレンチ(1-3/8、約35mm)を噛ませて固定し、IN側を回転させれば蓋が外れて中身が出て来ます。 当然のことながら蓋を開けた途端に中からオイルが大量に流出してくるので、交換時に対策が必要です。設置場所にもよりますが、基本的には一旦外して取り出してからの作業になるでしょう。 また、内部に使用されているOリング(2種類)は、カートリッジ交換の都度、新しいものに交換です(但し製品には付属していないので既製品を流用することになります)。 It's possible to change only filter inside however it will be required to change O ring. |
装着当初、フィッティングジョイントアダプターにテフロンテープ巻き付けを行わなかったために最後までネジ込むことが適わず、オイルフィルターやクーラーコアからアイドリング時でさえオイル漏れが起こってしまいました。
しかし、メーカーの提言によりテフロンテープをボルト部分に巻き付けてから締めることで、テーパーの付いたアルミ製フィッティングジョイントアダプターは、嘘のように最後まで締め込むことが適いました。真鍮製は最後まで締め込むことが出来ませんが、テフロンテープによりネジの隙間が埋まるので、オイル漏れは起こりませんでした。
油温の冷却効果は、クーラー装着前と同条件での比較をすることが出来ないので効果の程を明示することは出来ません。従って最終効果についてはサーキット走行テストの結果に委ねることになります。
現段階では、少々派手な走行により負荷を掛けると110℃程度まで油温が上昇していたのが、90℃以上は全く上昇しなくなったので、効果有りでした。
さらにオイルクーラーコア内部に循環する分だけエンジンオイルの絶対量も約1リットル程度増加するので、一石二鳥と言ったところでしょうか。
電動ファンの効果は大きく、油温上昇直後の停止時以降、約3分程度のアイドリングにより油温を低下させることが適っています。
Function very well. Anytime temperature not increase up to 90℃. I will
check by Drag Racing soon.
外気温が32℃を越えた那須モータースポーツランドサーキットの走行で、油温は最高で118℃止まりであったことから、オイルクーラーの機能は十分果たされていると言って良いでしょう。
Check by Drag Racing and it works very well.
装着するにあたって種々の工具と技術が必要となる本品に対して、クーラーコアとオイルフィルターブロックを固定すれば、後はバイパスブロックを装着してホースを接続するだけで完了する新しいオイルクーラーを装着することにしました。→オイルクーラーU装着日誌(Install new oil cooler)
Install new oil cooler system using #10 SS hose and lighter and smaller Oil Bypass Block with Big cooler
core.