LEDによるブレーキランプを製作してみました。写真の内側がLED、外型は通常のバルブによるものです。
ハイマウントLEDストップランプが最も明るく見える位置からの撮影ですが、写真が示すように、この角度だと新設したLEDブレーキランプは、バルブに比べて照度が低いことが判ります。 |
1.ブレーキランプハウジングの改造
ハウジング上部の幅4cm程の穴を空けます。 ドリルで外周に穴を空けてから、カッターやニッパ等で切り抜きます。 |
2.LED装着
切り抜いた穴の幅に切ったプリント基板を差し込んで、上部の曲線に合わせて基板を切ります。
切った基板上にLEDを並べます。 今回使用したLEDは、日亜化学製のNSPW500BSという型番の白色光で、5600mcdの光量があるものです。 直径が5φなので、片側50個、計100個を装着しました。それでも1個の消費電流は僅かに20mAなので、1A程度にしかなりません。価格は、100個で18,000円でした。 1個の動作電圧が3.5Vなので、3個を直列にしたものを1単位としています。 従って、何らかの原因でLEDがどれか1個駄目になっても、1度に3個以上切れることはありません。 配線は、LEDの足の長さが長い方が+となり、3個の1ブロックはそれぞれ隣り合わせの+とーをつなぎ、両端の+とーにブレーキランプ点灯用電源がつながります。同じものを装着した分だけつくり、それぞれの+とーを全て結線します。 LEDの向きは、指向性が20度しかないので、全て同じでなく、列単位で左右に、行単位で上下に分散させるようにしました。 |
回路は簡単です。3個の直列に接続したLEDと、電圧の変動に対して照度変化を無くすための定電流ダイオード(石塚電子/E-103/10mA)を1ユニットとして、装着数量分だけ並列接続して行きます。 容量の大きな定電流ダイオードを一ヶ所に使用する方法もありますが、その場合、万一ダイオードが切れてしまうとLEDが全部点灯しなくなってしまうので避けました。 バルブのガラス部分を壊して中のフィラメント用配線のブレーキランプ点灯用に接続します。今回テールライトは無いので、絶縁します。 |
より安定した高照度を実現するためには、2個のLEDと15mA(E-153)の定電流ダイオードの使用が望ましいですが、コストは大幅に上昇することになります。 |
3.ハウジングへの装着
できあがった基板をブレーキランプハウジングに開けた穴から差し込み、基板上部にボルトナットでL形に曲げたアルミ板を取り付け、それをハウジング上部に開けた穴にボルトナットで固定します。 |
ブレーキランプ点灯用電源は、既存のブレーキ用バルブの口金部分を使用して接続します。 |
開いた穴はアルミプレートを上から被せて塞ぎました。 アルミプレート周囲には、プラスチックテープ等で防水用のマスキングを行います。 |
装着して点灯テストを行います。 ハイマウントLEDストップランプよりもやや低い位置からの撮影だと、バルブとほぼ同等の明るさを持っていることが判りますが、それでもバルブには及びません。 |
今回は試作だったので、とりあえず内側の2灯だけにしました。また、テールライト機能は持たせていません。 テールライト機能を持たせるには、テールライトON電源が供給された時に抵抗を入れて電圧を下げ、照度を落として点灯させれば良いのですが、今回は作業を見送りました。 LEDは、バルブと違って光の指向性が狭い(20度)ため、一定の方向に対しては大変明るく有効に機能するのですが、視角からはずれるとバルブには到底及びません。反射鏡による効果が無い以上、やはり光を拡散するレンズ効果のあるものを合わせて使用する必要があります。 夜間ではそれなりに機能するのですが、昼間ではご覧の通り、LEDの粒が目立ち、お世辞にもカッコ良くありません。 |
参考までにスモールライト点灯回路図です。 |
LEDの明るさは、指向性と反比例しています。つまりLED本体に装着されているレンズの形状によって、集光力が高くなればそれだけ一点に対しては明るくなりますが、指向性が強くなってしまう分、数量を多く装着する必要が出て来るというわけです。
とりあえず現状における解消方法としては、装着数量をさらに増やして、各方向に対してなるべく多くのLED光源が照射されるようにして行くしかありません。
LEDそのものの直径が大きいものを利用すれば、より指向性が広くなるのですが、超高照度タイプはまだ市場で見当たりませんでした。
また、拡散レンズ効果を持っているカバーを自作するのは到底困難であるので、US用か、市販のハイマウント用LEDライトの部品流用も検討中です。 LED装着量の増加はそのままコスト増加につながり、結果的に、市販既製品のほうが安価となってしまう可能性が多分にあるからです。 |
単純に現在の装着量を倍にすると、1灯当たりに使用されるLEDは100個となり、2個単位での装着にすると、定電流ダイオードと合わせて、LEDが400個、ダイオードが200個必要となるため、装着基板を含めた部品レベルのコストだけで実に8万5千円以上に達してしまいます。
今回の試作において既に2万5千円が消費されていますが、差額分で既製品の購入が適うのであれば、そちらを優先させる価値はあるでしょう。
製品が到着次第、ウィンカー機能を持たせるための改造を試みる予定ですが、それが難しい場合には、内側の2灯をブレーキライト専用にして、外側2灯をテールとウィンカー専用に設定するつもりでいます。