生まれてから53年余間、東京の都会暮らしをしてきましたが、そろそろ潮時かと感じています。
確かに仕事をする上で都心に住んでいることは大変便利ですが、だからと言ってそこに永住する必然性はないと思っています。
老後の話をするには未だ少しばかり早いかもしれませんが、体が元気なうちに準備をしておくのが懸命ではないかと考えました。
大枚をはたいて東京に広大な土地を購入して家を建てても(宝くじでも当たらない限りそのようなことは到底できませんけど・・・笑)、自然環境を変えることは不可能です。
貧乏人の戯言に聞こえるかもしれませんが正直な気持ちです。
玄関を出て数分も歩けば多種多様な店舗やレストランが所狭しと建ち並び、多数の公共機関が整備されている都会の利便性も、今の私にとって絶対的な価値が薄れつつあるのです。
日常品は勿論のこと工具や部品類の大半が既にインターネットによる購入と宅配便による配送で入手しており、それに不満を感じることはありませんから、東京を離れても困ることはほとんどないと思います。
実はこの考えは20代の頃からあって、30代半ばに将来の自宅建設用として軽井沢に土地を購入しましたが、その後周辺の別荘地開発により、いつの間にか都会並みの環境に変遷してしまい、私が求めているものとは程遠い状況になってしまいました。
さてどうしたものかと思案にくれていたのですが、このたび良縁に恵まれ、澄んだ空気と美味しい地下水、そして絶景に囲まれて余生を過ごして行ける場所が見付かり、そこに家を建てることがかないました。
縁とは本当に不思議なもので、昨年5月に行ったホテルでたまたま隣のテーブルで食事をされたご夫婦とお知り合いになったことが、この地に家を建てるきっかけになりました。お会いした時には私と同様に東京から休暇で遊びに来ているのだと思っていたので何事も起こりませんでしたが、何と2ヶ月後の7月に再度同じホテルで偶然の再会をした際、近郊にお住まいであることを聞いて、早速お宅へお邪魔させていただくことになりました。
そして、一瞬にしてそこで出遭った環境に惚れ込んでしまったのです。
しかも隣地が売りに出ていると言う話を聞き及び、早速不動産会社の方と地主さんに会わせていただいて、話をとんとん拍子に進めることができました。
お隣さんとなるご夫婦も私と同じ考えを持たれていて、東京に住んでおられましたがこちらへ移住されています。
周囲を水田と林檎畑に囲まれた台地ですから、軽井沢と違って現在居住されているお隣さんを含めた3軒以上の家屋が増えることはありません。
私は元々煩雑な人混みがあまり好きではありませんし、この数年で親しくなった近郊の方々もたくさんできましたから、人恋しくなることもなさそうです。
当面は仕事の都合から東京との間を頻繁に行き来する二重生活となりますが、片道120kmほどで、首都高速初台から中央高速道路で1時間半程度ですから、週一回程度であればそれほど苦にはなりません。
何よりも嬉しいのは、念願だった大きいガレージです。しっかりした基礎の上に建つ鉄骨構造ですから、大地震が来て家屋が損壊してもここだけは無傷で残ってくれそうです。勿論、2柱リフトも設置します(笑)。
現時点では地上デジタル放送の受信ができないことと光ファイバーが来ていないためADSLでしか通信ができないのが最大の難点でしょうか・・・(笑)。
病院や警察、消防と言った緊急性を要するものについては明らかに劣勢の部分がありますが、私は破壊や絶命をする事態が起こった時が物も人も寿命を迎えた時だと考えます。
二本松はかなり遠方になってしまいますが、富士スピードウェイなら1時間余ですし、圏央道が開通したのでKMクラフトガレージさんへは1時間半、本庄も2時間程度で行けます。
週末や長期休暇が取れる時は、ここで畑を耕し、野菜や果物を育て、そしてガレージで車いじりをするのですが、唯一の悩みの種は休み明けに東京へ戻るのが嫌になってしまうかもしれないことです(笑)。