<Z06用リアブレーキ冷却用インテークの装着> 2001年5月4日
 Installation of Rear Brake Cooking Air Intake for Z06
 

[効果:リアブレーキの加熱を抑制する。]

 
Z06用の純正部品であるリアブレーキ冷却用エアインテークを装着しました。
ダミーのインテーク部分だけのセットもありますが、今回は実際に機能させるためにダクトとホィールハウスカバーがセットになっているものを選びました。
機能化するためには、実際にここからエアを取り入れなければならないので、FRPボディ面に開口する必要があります。

Install Rear Brake Duct for Z06. It is necessary to make hole to body.


 
リアタイアを外してリアホィールハウスカバーを外します。ボルト(7mmヘッドタッピング)類は全て再使用します。
図にはありませんがが、ドア下部分にもボルトが1本あります。このボルトの受け側がホィールハウスカバーに着いているので、これも取り外しておきます。
裏側に防音防振用のウレタンフォームが貼ってありましたが、キットのほうには着いていません。
剥がして再使用することはかなり困難なので、必要と考えるならば同等品を新たに貼り付けたほうが簡単で早いです。見た限りでは然程効果があるようには思えません。

Remove rear wheel house cover. There is one more bolt under door.

付属の台紙はボディ面の形状に合わせてカットしてあるので、ボディ面にドラフティングテープ(紙テープ)で貼り、開口部分と取付穴の位置を正確にボディ面にけがきます(写真は運転席側用。助手席側用は左右反対になる。取付方向に注意)。台紙は1枚しか入っていないので、破らないように注意!! 左右はそれぞれ対象形になるので台紙は表と裏2回使用することになります。コピーを2枚取って原紙と同じように裁断して使うことを薦めます。

最初はドリルで金鋸の刃が入る程度の穴を空けてから、台紙よりやや内側を少しずつ削り取るようにゆっくり引いていきます。FRPの粉がたくさん飛ぶのでマスクをしたほうが良いでしょう。

おおまかな穴が空いたら最後はヤスリを使ってさらに正確な穴になるよう仕上げて行きます。曲線部が多い穴なので、慎重に進めます。またカッター類は思わぬ傷を着けてしまう場合があるので使用しないほうが良いでしょう。台紙は穴が完全に空くまでは剥がさないほうが良いです。また周辺にも作業中の傷着け防止用の対策としてマスキングテープを貼り付けておいたほうが懸命です。固定用ボルト穴はドリル(6mm)で指定位置に空けます。

Make hole according to guide paper. At first, drill inside of hole and cut. Use sander to be smooth surface.
Install Intake Duct with nuts.

穴が空いたら、念のため吸気ダクトのボディとの接合面に防水性の薄い両面テープを着け、裏側からワッシャとナットで固定します。ナットはM4.5(これが日本ではなかなか手に入らないシロモノ。結局見つからなかったのでナットだけを再度USから取り寄せました)。本来なら装着マニュアル共々製品に付属しているはずなのですが、入ってなかったところを見ると、台紙以外は単なるGMのZ06用純正パーツのようです。直輸入で購入する場合はナットを付属してもらうように頼みます(但し別料金)
ダクトを取り付ける際は、まず下のボルト穴に入れてから後方を差し込み、上二つのボルト穴に入れ、最後に前側のボルト穴を入れます。正面からポンと一発で入れることは出来ません
ダクトに着いているボルトは手で向きを若干変えられるので活用します。ボルトの頭でボディ面に傷を着けないように注意して下さい

新しいホィールハウスカバーに、純正から取り外したボルト受け部分を同じ場所に取り付けます。

Install female bolt from Factory's to new wheel house cover.



通気ダクトをホィールハウスカバーに差し込み、ホィールハウスカバーを取り付けつつ、吸気ダクトに接続します。
この作業が意外に面倒で、少しずつ位置関係を見ながら慎重に進めなければなりません。さもないとボディ面に傷を着けてしまいかねません。
純正ホィールカバーを加工して使う場合は、ダクトが通る四角い穴を空けるだけです。多少大きさがあいまいでも大きな問題にはなりません。
ホィールハウスカバーの装着は、前側の固定部分だけが表側に出て、後は全て裏側に入るので、反対側の純正装着状態を参考に間違えないようにします。

装着されたら、ドア下のボルトを最初に止め、次に吸気ダクト固定ボルトをホィールハウスカバーと共締めします。
全体の位置関係及び通気ダクトが正しく吸気ダクトに接続されていることを確認しつつ、他のボルトも締めて行きます。
ボルトの締め付けは、最初は全て中間点程度で留めておき、全体の位置関係が決まってから最後に増し締めします。
締め付けトルクは1.9Nm。一部アルミボディやFRPボディに直接ネジ込まれているものがあるので、過大トルクによるネジ山破損に注意です。

Install Duct to Wheel House Cover and connect to Intake Duct.
Install all bolts tighten 1.9Nm.

各部分の取り付け固定状態を点検し、タイヤを着けて完了です。ダクト類等がタイヤやサスペンション類に接触していないことを確認します。また走行中に異音等が無いことも確認します。純正ではボディとの接触部分に装着されていたウレタンフォームが無いことで若干の振動が発生する可能性が考えられますが、もし発生するようであれば新しいものを貼り付けます。



<使用レポート>
付属しているホィールハウスカバーは、純正品に通気ダクト用の穴が空いている以外は全く同じものなので、部品単位で注文ができるのであれば、インテークと通気ダクトだけにして、純正品を穴あけ加工したほうが安上がりであるばかりか、無駄な廃材を出さずに済みます。
インテークはボディの微妙な曲線に完全対応でききれていないようで局所に僅かな隙間が見られましたが、実用面での問題はありませんでした。
助手席側のホィールハウスカバーと通気ダクトを共締めする穴の位置がずれていたのですが、ここはもともとアルミボディ面に直接ネジ込んである部分で、相手側のネジ受けは使っていませんでした。そこで、新しい穴を開けて止めました。
ウレタンフォームは貼り付けていませんが、特に目立った振動や音の発生は今のところ感じません。
唯一の問題点は、FRPボディが故の左右の微妙な寸法違いにより、助手席側のダクトのリアタイヤとの隙間が運転席側に比べて半分程度しか確保されなかったことです。通常走行状態での干渉は起りませんが、ジャッキアップした時には、タイヤとダクトは触れ合ってしまいました。

レポートするほど具体的に大きな効果や性能向上が図れるものではないし、もともとリアブレーキ自体はフロントに比べれば過熱するほど働いてはいないので、通常走行時での恩恵は少なく、いわばアクセサリー系のアイテムです。

但しリアブレーキそのものを強化し、サーキットや山道でハードブレーキングの連続となれば確かに有効なものとなるでしょう。

Brembo社ではC5用強化ブレーキシステムについては前後同時交換を薦めていました。しかし、前後セットで軽く70万円を超えてしまうコストは、サーキットを攻める走りに全ての情熱を注ぐ覚悟でもしない限りは意味を為さないでしょう。
そしてその場合はブレーキだけではなく、サスペンションを含む全てをチューンアップすることが条件になります。
通常の走行でエンジョイするならば、何よりも全体のバランスが最も重要だと考えます。

ハイパフォーマンスブレーキシステムを装着し、サーキット走行をすると、ダクトが単なる飾りでは無いことが良く判ります。
さすがにZ06用純正品だけあって、リアブレーキの冷却を効果的に行ってくれました。
外側へ貼り付けるだけの飾り品もあるようですが、これを着けるくらいならば、何もしない方が良いですね。
純正品ですらボルトでガッチリ4点止めしないとボディラインにフィットしてくれませんでしたから、貼り付けるだけのものは、間違い無く隙間だらけになってしまうことでしょう。

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